摘芯すると収穫量が増えるといわれてますが…
本当のところはわからないのではないかと私は思います。
実際には同じ個体・環境での比較はできないからです。もし同じ土地で、同じ栽培方法で数年かけて、検体もある程度の数を使って実験をしたら、その土地・栽培方法での傾向は判るかもしれません。
でも、それが他の土地で、違う栽培方法の場合は、同じ結果が出るとは限らないと思います。
「綿の育て方1」の記事にも書きましたが
摘芯しないで高く育ったとしても、実は同じ数だけつけたかもしれません。
せっかくたくさんついた蕾が落ちる現象を生理落果だとすれば、植物自身が自分で賄える量の調整をしているのであり、高く育とうが横に育とうが、実の数はそれほど変わらない気もします。
でも、横に枝を伸ばすのより、高く伸びて更に枝をつけるのだとしたら、既にある枝先に実をつけるだけの方が、植物にとっては楽なのかもしれません…。
摘芯がつぼみをつけるきっかけを作る?
摘芯すると、栄養成長(木や葉を大きくする活動)から生殖成長(タネを残すための活動)へ移行する、という方もいますが、何か根拠があるのでしょうか?
実際は、摘芯しなくても、時期がくれば蕾をつけます。少なくともウチの綿はそうです。蕾をつけて実が大きくなった後も、木は大きくなり、脇芽も増えていきます。
秋が深まり、夏に開花した実の収穫がひと段落ついたかなという頃にも、まだ新芽が出て、蕾がついて、開花しています。栄養成長を止めたようには思えません。
綿は日本では一年草扱いですが、元は木ですから、一年草のような生殖成長への切り替えがあるのかどうか、そのあたりも疑問です。

何らかの条件が満たされたときに蕾をつけ始めるけれど、木や葉の成長も引き続き行われています。「栄養成長」は「生殖成長」が始まっても続行しているのではないかと思います。
つぼみをつけ始めるきっかけは、温度かもしれないし、日照時間かもしれないし、それらの複合条件かもしれません。その条件の中に、摘心という要素も含まれているかもしれません。
植物とは常に変化し続ける不確かなモノ。ヒトの話や本の情報を鵜呑みにせず、とにかく自分の目で観察することが大事だと、常に思います。
私が摘芯する際の目的と、綿の剪定の仕方
摘芯するのは主に背を低く保つ為。あまり大きくなりそうにない時は摘芯しません。
剪定も、側枝が増えすぎて、最初の側枝の葉に日が当たりにくくなったり、隣の木と重なってきたりしたら、後から出てきたほうの側枝(実の付き方が最初に出てくる枝と違う)を剪定する程度。自己流です。
この後から出る側枝には、上の画像のように強く出てくるものと、次の画像のように、さほど強気でない(?)ものがあるようです。
秋が深まってからは、この先つく蕾が、霜が降りる前に完熟するか?という思いもあり、新芽も蕾も摘んでしまいます。