綿のタネをとる方法・手でとる手順と綿繰り器と

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綿の実からタネをとることを綿繰り(わたくり)、実繰り(さねくり)などというそうです。また次の年、播くときのために…

綿の収穫のときからの注意

翌年播種用の実は、畑で収穫の際に選別します。

ディスプレイ用以外は、綿の実の房だけをそっと摘むようにして収穫。枯れた葉やガクがぽろぽろ繊維に絡みつかないように注意して。

かごやネットに入れたり、天日干ししたり、よく乾燥させます。乾燥していたほうがタネ離れがよいので、綿繰りの作業前にはできるだけ乾燥させておきます。

タネを播く予定の綿の実は、保管する環境にも注意が必要かと思います。私は翌年用は早めに綿繰りして仕分けてしまいます。

保管分も、ある程度通気性が保てるように、紙袋か、ネットに入れておき、できるだけ早めに綿繰りします。

長期間、綿繰りせず保管すると、タネ等に含まれる油分で繊維が変色することもあるそう。混ざってしまった葉やタネのなりそこないからも変色の影響がみられます。白は目立つので特に注意ですね。

綿の実からタネを手でとる疲れにくい方法

一度に沢山の繊維を引っ張らず、少しずつ摘む方が取り易いです。

根元ではなく、繊維の先端をつまんで引っ張ります。

皮の表面から垂直方向に引っ張るほうが取れやすいです。

そのうち短めの繊維が残るので徐々に根元近くをつまんで引っ張ってみましょう。

でも、短い繊維は紡ぎにくいので、無理にとらなくても。

時々タネ離れし難いもの(画像下)があるようです。

あまり力ずくでやろうとすると、タネの表皮が一緒に取れてしまうこともありますし、指が疲れます。多少繊維が残っていても発芽にそれほど支障はないと思われます。

以前、和綿を房のまま播種する実験をしたところ、8個のタネのうち6個以上は発芽を確認できました。そのまま播種してもとりあえず十分な水分を吸収できれば発芽するようです。繊維が長く量の多い洋綿ではわかりません。

(2020.1追記 手でタネを取るコツの動画を公開しました。こちらの記事からどうぞ)

綿繰り(わたくり)器の選び方

綿繰り器とは、棉の実からタネを外す道具です。ハンドルを回すと二つのローラーが回転し、その隙間に綿の繊維を引き込みます。

更に回すと、綿の繊維を向こう側へ送って、種が手前に残ります。画像の道具は、ネジでローラー二本の隙間を調節するタイプですが、二つの楔(くさび)で調整する形状のほうが多いです。

さすがに手でとるより綿繰り器のほうがキレイに、早く、楽にとれます(和綿に限り)。

綿繰り器がなくても、料理用麺棒のようなもので転がして外す方法や、パスタマシーンを使用する方法もあるらしいです。

ご興味のある方は動画を検索してみてください。

収穫量が少なければ、手でむしり取ってしまえば済むのですが、沢山収穫できて、今後も栽培を予定しているなら、道具の購入を検討するのもありかと思います。

もちろん新品も販売されていますが、中古の綿繰り器でも時々掘り出し物があります。

中古の品は、二本のローラーの凸凹が少なく、しっかり接触しているかどうかを、よく確認したほうがよいと思います。隙間が大きすぎるものは調整できそうか確認。

やはりローラーは中央が摩耗のため、へこんでいるものが多いです。もちろん2本がきちんと連動して動くかどうかも重要。

新品は機料店や綿専門の制作者なら比較的安心なようです。以前の話ですが、価格だけで選ばれたもののなかには、調整がかなり必要なモノがあったよう。

まあ、あまりうまくできないようなら、自分でいろいろ調整・工夫すれば済むことですけどね。

(2020.7追記 綿繰り具についての動画を投稿しました。こちらの記事からどうぞ)

綿繰り器の使い方

まずは道具をしっかり固定できるようにすることが大事です。ハンドルを回すときに本体ががたがた動かないように。

私はハンドルを少しずつ操作し、両端ぎりぎりまで使い、出来るだけ多くの綿を一度にローラーにかませるようにしています。

真ん中あたりに1、2個挟むだけで無駄にぐるぐる回すことを繰り返していると、木を傷めるし、自分も疲れてしまいます(大量に処理するので…)。

ただし、端に寄り過ぎるとタネや繊維が両端の隙間に吸い込まれて、回転しにくくなります(入らないような構造の機種もある)。

入ってしまったら分解して取り除きます。時々は分解してゴミ取りや、軸に蝋やワセリンを塗ったりしています。

綿は押し込まず、繊維の先端を隙間に吸い込ませるように軽くそえます。一度に多すぎる繊維が入ると、ローラーの隙間が開き過ぎて上手く綿繰りできません。

また、回りにくさを感じた時に力まかせに回そうとすると、道具を傷めたり、未熟なタネをつぶしてしまったりします。

ハンドルからの手応えを感じながら、回転を戻したり、綿を引っ張って、吸い込まれる繊維の量を調節したり、ネジを調整したり工夫して。作業者自身も常にやりやすい姿勢を考えながらやらないと疲れてしまいます!

収穫した綿の使い方・綿の紙つくりなど、別の用途も考える

綿の繊維で糸を紡ぐ予定の方は、収穫の時からずっと、綿繰り前も最中も、ごみは出来るだけ取り除きながらやったほうが後の作業が楽です。

枯葉がローラーを通ると綿のなかで粉々に散らかることもあります。

綿の紙

未熟なタネもつぶれやすいので、出来るだけ綿繰り前に取り除いておきます。

画像は、譲られたもののゴミが多すぎて紡ぐ気になれなかった綿で作った紙です。

混入を防ぐには、畑で綿を摘むときが大事。

混んだ畝だと枯葉が付きやすいので、もうタネを播く時から、布にする時のことまで考えておきましょう。

まあ、自分のものなら枯葉程度混ざっていても、それほど気にしないのですが…(汗)

  • 綿繰り具についての動画はこちらの記事からどうぞ。
  • 手で綿とタネを分ける疲れにくい方法の動画はこちらの記事から。
  • 「棉」と「綿」の違いについての記事はこちら
  • 「綿のタネを外す方法による繊維の違い」についての記事はこちら