「つむぎくらべ」に続いて考察っぽいものシリーズ第2弾です。手紡ぎの糸の太さは何で決まるか。基本的に、繊維の太さ・繊維の量・繊維のコシの三要素で決まると考えています。
繊維の太さ
まず繊維の太さは、綿の場合、見た目肉眼ではわかり難いですが、触ると何となく判るかもしれません。
一般的に和綿・アジア綿は太めと言われているようですが、画像や数値などのあるサイトが見つけられませんでした。残念。
昭和57年発行『木綿の本・読売新聞社』には、デシ綿(いわゆる和綿もこの仲間)は3~4デニール、海島綿には1.1デニールのものもある、と記載がありました。
1枚目の画像は自分で撮影してみたものですが、光の加減などもあってよくわかりません。画像左が和綿の白で、右が洋綿の緑(画像は全てクリックで拡大)。
繊維の量
単純にたくさんの繊維を撚りあわせれば、糸は太くなりますが、繊維の量が少なくても、繊維のコシが強ければ、低密度で、ふんわり空気をたっぷり含ませた、見た目太い糸を紡ぐことは可能です。
で、その繊維のコシですが、私は繊維自身の天然の撚りの保持力の強弱という意味でコシが強い弱いという言葉を使っています。
硬いとか柔らかいというほうが伝わりやすいかもしれません。髪の毛みたいな感じ。
繊維の量とコシ
繊維の量とコシについては、以前のこちらの記事も参考になるかと思います。
緑綿は繊維のコシが和綿に比べ弱く、なかなか和綿のようにふんわりした糸にするのが単独では難しいです。
コシも撚りも和綿より弱く、繊維自体が細いためもあり、紡いだ糸が細くなりやすい。
繊維自身が柔らかいために、それほど固いという印象を受けないかもしれませんが、詰めこまれている感じはわかると思います。
更に細かいことを言えば、繊維にヌメリのような感触があるために紡ぎ難さを感じ、それが紡ぐ太さに影響することもあります。
私は緑でふんわりした軽い糸が欲しいときは、和綿を混ぜて紡いでいます。
というわけで、太目のふんわりした糸が紡ぎたいという方には、繊維の太さとコシの強さという点から和綿をお勧めしています。でも紡ぎ方も、好みの糸も人それぞれなので、自分でいろいろ試してみるといろいろ気づけて楽しいかと思います。
ちなみに繊維の長さは太さに影響するかですが、短い場合、太さへの制約にはなるかと思います。その繊維の長さより円周が長い糸は、たとえ紡げても、あまり実用的でないかな、と。手打ちうどんやミニクロワッサンみたいな糸(?)も紡げないことはないけどね(汗)