緑綿の赤木緑木

必ずしも同じものが同じようにできるわけではないのが植物。

緑綿の畝に、赤い花でない花が咲いているのに気づいたのは7、8年前。

茶綿でも混ざってしまったのかなと思ったが、開いた実は緑。茶でもカーキでもなかった。

(左)緑木白花の緑 (右)赤木赤花の緑

それからは印をつけ、分けて収穫して、畝を分けて栽培を続けてきた。
花の色以外にも違いがある。

赤花の方は繊維のコシは弱く、艶がある。ただし色も艶もコシも、個体差があって様々な実が収穫できる。こちらの記事の様々なトーンの緑の実は全て赤花。

(左)緑木白花の緑 (右)赤木赤花の緑

クリーム色の花の方は赤い花になる実より繊維の特性のばらつきが少なめで、ほぼ同様。

画像は全て左が緑木・白花、右が赤木・赤花。

緑木の双葉や幹の写った画像がみつからなくて残念。茶綿の双葉と同様で、その後の木の姿もよく似ている。

(左)緑木白花の緑 (右)赤木赤花の緑

ちなみに「赤花」「白花」とか、紫蘇綿の記事でも使った「赤木」「緑木」は、私が勝手に区別のために使っている(作った?)言葉。鴨川農園の『わたわたコットン』の中でも見た覚えがあるけど、一般的な言葉なのかどうかは知りません(汗)。

木の幹、枝、花のガクなどの赤味具合もバラつきがあるが、花は明らかに違う。でも開花後の花はやはり赤味を帯びてしぼむので、しぼんだ花だけを見ていると気づきにくいかも。

(左)緑木白花の緑 (右)赤木赤花の緑

 

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実も赤と緑。成長速度は一緒なようで、ただほんの少しだけ、緑木のほうが早い気がする。気がする、程度としか言えないけど、今年は開花は赤花の方が早かったのに実が開いたのは緑木の方が早かった。

木の成長もそう感じることが何度かあった。でも和綿との違い程はっきりはしていないし、たまたま環境の差、個体差かもしれない。

分けて栽培してきたが、数本、播いたはずのものと違う木になることもあった。赤木の畝に赤木のタネを播いたはずが、緑木が育って白い花が咲いたり、逆のことも。そういうのは印をつけてタネ用から除外してきて、今は赤木の畝から緑木、白い花が現れることはない。

今年、緑木の畝からは2本(約60本中)、赤い花が咲く木があった。最初の頃は1/10くらい混ざっていた。この特性は固定されてきているといえるのかな。とりあえず、緑木・白花は環境要因ではなく、遺伝的なもの、突然変異か何かで出現してきたのだとはいえそうだ。

販売用はすべて赤木・赤花の方を使っています。緑木から収穫された実をご希望の方は購入時にお伝えください。上記ご理解の上でm(_ _)m