地機布15 織り終わり&糊落とし後

織り終わってから、なんだかんだで2週間以上経ってしまったので(汗)、ざっと振り返りと、まとめなど記録しておきます。

ちょっと長いです。

今回の整経方法についての動画を投稿しました。 ブログでは使用した道具についてなど残しておきます。 あと、後日追記す...

筬通し

Sleying the reed – through dents in the bamboo reed 20220314 筬通し
明るい場所でやると間違えにくい(基本)

一つの竹羽間に2本の経糸を入れるので、整経時の輪のまま(綾に近い側が全て輪になるように整経)入れました。

筬に糸を通す際の専用の道具・竹とか金属の筬通しを持っていないので、今回の様に手で通すか、無理ならかぎ針の極細サイズを使います。

機巻き

筬の向こう側でその輪に棒を通して、襖で動かないように固定。

筬で経糸の巾を広げ、真っすぐ糸を張りつつ、筬と綾棒をずらしていく。

全ての糸が真っすぐ張れたら、糸を引っ張り合い、整経長の微妙なズレを隣同士で調整…したかったんです。

整経長が短い故に出来る方法かなと。

右)元々筬通しした綾があった側

が、ちょっと別の手間を惜しんでしまい、左側は完全な輪にできなかったので、それはかなわず…整経の微妙なずれを含んだまま、できるだけ張りつつ巻くことに。

糸綜絖づくり

糸綜絖の作り方…織物の経糸を交互にまとめて吊り上げられる仕組みを、糸と棒で作る方法のひとつ(始めのみ音あり)Making string heddle with thread and rod

地機布14の時も一部シーンを動画投稿したんですが、今回は作業の解説つき。

詳細は動画をご覧いただくとして…地機は腰で糸を張るので、角度かえての撮影とか結構タイヘン。

こんな思いをしてやってるけど、ホントに少しでも誰かの必要を満たしているのかなー、と時々悩んでしまうこともあります。

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綾返し

これも一人撮影が難しい作業。正面からだと判りにくいし、といって側面からばかりでもね。

撮影のために何回も繰り返すのもそれこそなんだし、そもそもやってる作業自体は大したことではない(汗)。

ので、記録用のチャンネルにのみ動画を残しました。自分の見返し用。

Moving cross after finishing the thread heddles 20220320 糸綜絖の完成後。綾をこす(移動させる・綾返し)
腰側)筬・綾・糸綜絖→腰側)筬・糸綜絖・綾

織り始めを少なくする為に

結局織り始めの調整は5cmくらい?

少し前にご縁のできた方に感化されて、三方耳にしたかったので、整経時の輪を残したんだけど。

やはりちょっと整経時のズレというか、全体的に若干斜になっていて、巻いた側でも解消できず。

これを耳にしても歪んだ布になるなぁ…と思いつつ、とりあえず輪に細い竹ひごを差し入れて、筬と幅を合わせて、腰側の棒に固定。

数cm織って調整しようと思ったけど、調整用の糸の選択を間違えた感じ(汗)。

きれいな耳にはできなかったけど、斜はまあまあ解消できたし、織り始めの糸は少なく済んだからよし。

織り終わって竹ひごを引き抜いて洗濯後

筬変更

そもそもの試織の目的は、筬密度で悩んでいた為。なので、前半約1mを折り終わったところで、筬を変更。

10羽/1cm筬から11羽/1cm筬へ。

経糸を切って、新たな筬に通し直しつつ機結び。できた輪に腰側の棒を通して固定して織り再開。

Change the reed from 20/1cm to 22/1cm 20220402 筬差し替え

織れない部分を少なくするために地機から一部外す

織り終りが近くなってきたので、地機の開口用の棒を外して代わりに△厚紙を入れました。原始機風。

たぶん約15cmほど長めに織れたかと。

織れずに残った経糸は約30cm。ほとんどは輪になっているので、約60cmが400本くらい。縫い糸としても、機結びしても再利用しやすいはず。

織り終わり&糊落とし

織り終わって長さや幅などを記録してから、酵素による糊落としをしてまた計測。

更に数日後もう一度洗濯ネットに入れて濯ぎ・脱水・乾燥。更に数日後に同じ工程を繰り返し。

結局、糊落としを含めて3回水に通して乾燥という工程を繰り返しました。

残った経糸と糊落とし前の織り布

比較と振り返りとこの後

このお手製定規枠が少し曲がっていたり、そもそも定規マステも正確でなかったりするし、アイロンもかけていないので、この画像はまあ何となく参考程度に(汗)

20本/1cm筬
  • 筬に通した糸の巾 約42cm
  • 3回濯ぎ後の巾 約36cm
  • 縮率(ヨコ) 14%
  • 縮率(タテ) 2%
22本/1cm筬
  • 筬に通した糸の巾 約37cm
  • 3回濯ぎ後の巾 約32.5cm
  • 縮率(ヨコ) 12%
  • 縮率(タテ) 6%

タテの方、長さの縮率は、織り上がった後と濯ぎ後の数字で計算したものです。

20本/1cmは経糸密度が低すぎたな、と。そのせいもあって巾がかなり縮んだのかな、と。あまり密にすると経糸ガンガン切れそうで、ついつい筬密度広めを選びがちなんだな、と。

でも今回思ったよりは切れなかったので、試しに地機布7で使った12/1cmの筬に残った経糸を入れてみました。

ただ触り心地はやっぱり10/1cm筬の方が薄く感じられる。この布の目的の用途である裏地とか内ポケットには、こっちの薄さが向いてそうです。

経糸密度上げるなら、緯糸をかなり細くするか。あとはやっぱり緯糸の打ち込み加減の調整かな。

…こっちのほうがいいかも?

そんな感じで、次どうするか、地機布16はどうなるか…結局また悩み中です。

『地機布15 織り終わり&糊落とし後』へのコメント

  1. 名前:今井恵子 投稿日:2022/07/07(木) 09:00:07 ID:28cffae29 返信

    とても参考になる内容と、思っています。なさっている作業は、時間的にもレベルの高さにもずっと先をいっていらっしゃるので遡って、拝見することが、しばしばです。良質のテキストの様に思っています。ご苦労が多いことと思いますが、感謝しています。

    • 名前:wataitoya 投稿日:2022/07/07(木) 13:19:46 ID:371226865 返信

      コメントありがとうございます!
      自分の記録用でもありますが、
      少しでも、何かしらのお役に立てればという思いもあり、
      書いていますので、そのように言っていただけるととても嬉しいです。
      本当にありがとうございます。

      なかなか更新できない時期もあるのですが、
      書き残しておきたいことはまだまだあるので、
      よろしければ今後もご笑覧くださいね^^。