和綿 白・茶・シソ一覧

和綿 大島

2020年収穫2021年撮影

タネの出所

確か4~5年前のイベントで、綿の糸紡ぎを実演されていた方からいただきました。

が、同時期に友人からも同じ「大島」のタネを貰っていて、しばらくどちらもベランダで栽培、特に違う特徴もなかったので、いつの間にかごっちゃに、一緒になってしまいました。

どちらも大島であることには変わりないのですが、それまでの栽培方法等は違ったかもしれません。まあそれもウチのベランダで2~3年、畑でも同じくらい栽培しているので、現在はその影響はほぼないと思います。

大島和綿の繊維

実の大きさ、繊維の量、質などは個体差がありますが、他の和綿とほとんど変わりありません。

繊維の長さはやはり測るのが難しく、正確ではないのですが、長いところで約20mm強ありました。

これは私の主観でしかないのですが、若干、シソ綿や松江の綿にくべて、繊維が柔らかい・コシが強くない感じがします。

(画像の実はたまたま繊維量が少し少なめ。後程、標準的なものに差し替えます)

2020年収穫2021年撮影

大島和綿の成長の様子

双葉や本葉の形は他の和綿と同じ。違うのは色。

(左)和綿大島 (右)和綿茶

赤の色素が、他の和綿に比べて少ないので、ウチで栽培している綿のなかでは、ある程度判別できます。

他には、花も実のなりかたも同じ。この点だけを見ていると見分けがつきません。

夏の間は葉も茎も緑で、秋になってくると他の綿と同じように紅葉するので、それこそ判別できなくなります。

和綿の草姿の色の違いについては、別の記事を書いています。

大島は、これも主観ですが、シソ綿と逆に適応力が低いように感じます。

シソ綿は寒暖や雨の多少に関わらず、毎年そこそこ成長して収穫もできるのですが、大島は結構その年の環境や気候に左右されやすいような。

緑色の木と赤みがかった木 2012年8月1日の紫蘇(シソ)綿の画像。 この畝は全て紫蘇綿なのだけど、手前は赤みがかった木、その奥は赤みのない...

たいてい、収穫後期に増えることの多い成長不良の実が、収穫前期から多かった年もありました。

もしかすると、栄養や水分を取り込む力が、シソ綿より弱いのかもしれません。

ネットで大島を栽培している方の様子をみると、黒マルチや施肥を行っているらしき畑では普通に育っているようなので。

この畑+私の栽培方法では合わないのかもしれないと思いつつ、もうしばらく育てて観察していきたいと思います。

わたいとやが栽培しているその他の綿については以下の記事をどうぞ

2021年現在、わたいとやが栽培している綿の一覧です。 画像は収穫した実のなかで、大きめで充実した感じの実を選んだもの。収穫...

和綿のつぶつぶ

和綿の実から見つかる枯れ葉じゃないもの

矢印の先にあるもの、なんだかわかりますか?

虫ではないのでご安心を。

和綿以外の綿からも似たようなものは見つかるのですが、同じ性質のものなのかは判りません。

和綿で見つかるこのモノも、たぶん…だろうとは思っていましたが、確信は無かったんです。何しろ小さすぎて。

画像はクリックで拡大します

でも今日たまたま気まぐれに、以前購入してしばらく使っていなかったクリップ型マクロレンズを使って撮影してみました。

すると肉眼ではよく判別できなかった、産毛のようなものが一部に生えているのを発見!

やっぱりタネのなりそこない

モノによって形や産毛の生え加減?も若干違いますが、タネのなりそこないのように見えますよね。
タネのなりそこないで判りやすいのは、一枚目の画像の白抜きの矢印のようなものだったのですが、それもこの小さな粒々と同じように、様々な成長過程で止まったものがあります。

タネにも短い産毛しか残らないものや、ふっくらした産毛が残るものがあります。

もしかしてタネのうぶ毛の生え方の違いも、成長過程の違いもあるのかな?でもどちらも発芽はするしなぁ。

緑綿についている同じような黒い粒々とは…

緑綿のつぶつぶは黒っぽくてここまで産毛がついていなかったような。こちらはまだupで見てません(汗)。

でも緑のソレはピンセットでスッと取り除きやすいのに対して、和綿のこの粒々は他の繊維を一緒に引きずってくることがあります。

この小さい粒々の短い繊維でも引っ掛かっていたということね。和綿繊維の天然の撚りの強さか、コシの強さか…。

気づかないうちに糸にもこんなふうに混ざり込んでしまうのです。気づけば外します。

後日「緑綿の黒いつぶつぶ」という記事を書きました!
和綿のつぶつぶとは違うモノでした^^ 上のリンクからどうぞ。


しなる和綿

台風後の畑で傾いた棉の木を起こしながら、あらためて和綿とそれ以外の木の違いを意識する。

和綿の実は下を向く傾向がある。それは和綿の実と枝を繋いでいる部分がしなやかで、実の重みでしなるから(必ずしもそうならない株や実もあるし、和綿以外でも下向き加減な実をつける綿はある)。

結果的に雨に濡れることが少なく、雨の多い日本に向いていると言われているようだが、このしなる木も、台風の多い地域に強いといえるのだろう。

実の根元の枝と同じように、和綿の木の幹もしなやかで風に吹かれると曲がりはするが、折れることは少ない気がする。
2枚目の画像は緑綿。少しは曲がるけど、和綿の木に比べると、柔軟性に欠ける、体の堅い人みたい。

根と木の境目、木の倒れた方向に土がえぐれて、根も一緒に少し傾いてしまう。

雨で土が柔らかくなるせいもあり、根も動いてしまうので、木を起こしたら、土を寄せたりして周囲を踏み固める。

時間がないときは、とりあえず木の倒れた反対側の土、えぐれてない方の土を、木を起こしながら踏み固めるだけでしっかり立つ木もある。

和綿全ての木が同じようにしなやかさを持っている、それ以外はすべて柔軟性が欠けているとは言えないが、その傾向はある、くらいには言えるのではないかと思う。

まあ、これもだからどうということもないのだけど…今後も観察を続けます。


和綿の木・赤と緑の違い

緑色の木と赤みがかった木

2012年8月1日の紫蘇(シソ)綿の画像。

この畝は全て紫蘇綿なのだけど、手前は赤みがかった木、その奥は赤みのない緑の木、に見える。

紫蘇綿は全体に赤紫色がかっているので、紫蘇綿と呼ばれているらしいと聞いていた。

…ヘンだなと思いつつ、面白いので、緑と赤は別々に採種してきた。

ただ、そもそも緑と赤の色が明確ではなく、基本緑だけど若干赤だったり、季節が進むごとに赤みが増したりするので、この緑と赤の播き分けは、とくに初期はあまり当てにならず…。

色の変わる原因は日照不足?

2枚目の画像は今年2019年、今現在の紫蘇綿の緑木(左)と赤木(右)。

一応分けて播種したはずだけど、どちらもさほど変わらないくらいに赤みが薄い。幹の色は少し違いが判りやすいかも。

よく見ると、紫蘇の畝全体的に赤みが薄かった。追加播種したのは赤だったので、もし間違えても赤が多くなるはず。

…ということはタネの差ではなく、環境要因で色が変わっていただけなのかも?

今年は日照時間が少ない。日照不足だと赤みが出ないとか?

和綿大島は緑ばかり

成長の早さや、木の大きさ、実の付き方にもそれぞれ個体差があるのだから、色に多少の違いがあるのは不思議ではないのだろうけど。

3枚目は大島。2017年にタネを貰って播種してからずっとこんな緑の木。赤はほんの少し葉の中央、葉脈の根元が赤いだけ。この点がオクラと似てる。

紫蘇の緑とも似ているけど、少し色味が違う気も。そして紫蘇の葉は色合いに個体差があったりするけど、大島は個体で色の違いはほとんどなく、同じトーンの緑。

大島から赤味がかった木は出てきていない。

ちなみに最後の画像左は伯州綿(たぶん。2009年松江で貰った和綿)。右が和綿の茶。どちらも緑木のような個体はこれまで見ていない。例年だと紫蘇の赤木もこんな色なんだけど。。

過去記事にタグ付けをしてたら、こんな記事を発見(汗)。松江の綿でも色の違いがあったようす。でも近年は、こんなことがあったと忘れてしまうほど、赤みの薄い木はできていない。

後日談あり→「赤みがかる」。緑木と赤木の違いはこの記事の画像の方が判りやすいかも。

 


畑の目印と続茶綿の退色

綿は品種ごとに畝を分け、混ざらないよう栽培していますが、F1などではないタネなせいか、時々変わった特徴が現れたりもします。

緑綿は赤めの茎で赤花が咲いたり、緑の茎でクリーム色の花が咲いたり。和綿のシソは茎が緑だったり赤みだったり。

できるだけ区別して採種をしているので、今はほぼそのものが育ちますが、それでも所々播いたはずのものと違う木だったりすることも。

そんな綿の木を区別するために、糸を絡めています。そのまま放置しても土に戻る、撚り止めしただけの手紡ぎ糸。

経糸の残糸だと糊が残っていることもありますが、それでも翌年の種まきの頃には糸は崩れかけてたり、見当たらないことも。

画像は茶綿を紡いだ双糸を8月頃に茎に絡めておいたもの。指に巻いてるのが元々の糸。茶綿の双糸は色落ちしてますが、白糸を単糸にしていたので区別はつきます。

茶綿は徐々に色が濃くなると一般的に(?)言われていて、確かに実が開いてしばらくは日差しか酸化かで濃くなる。でも濃くなり続けるわけではなく、雨か日差しの影響で色が薄くなるのも事実。

以前購入した茶綿のハギレで作ったタオルも色がどんどん薄くなった(茶綿の退色)ので、当時はホントに茶綿だったのかな?染められたものだったのかな、とも思ったのですが、ホントに茶綿だったということで(汗)。「茶綿は色が濃くなる」説の方がビミョーだったと。