その他の綿一覧

その他の綿2 トルファンの茶

タネの出所

3~4年前に友人から貰い、毎年数本、タネを継ぐ程度の本数のみ栽培しています。

検索してみると、日本国内では コットンバンク益子で栽培しているとの記事を見つけました。

記事は10年以上前のものですが、活動は続けられているようです(Twitterもあり)。

もしかすると、そちらのタネが巡り巡ってきたのかなぁと思っていますが、真偽のほどは不明です(汗)。

実の大きさ・繊維の長さなど

個体差がありますが、和綿以外の茶綿らしいボリュームのある実。長い繊維は3cm前後、繊維は細め、量も多めに見えますね。

肌触りの柔らかさは普通…和綿よりふわっと柔らかめだけど、タナ綿や、元々栽培していた茶綿の方が柔らかい肌触りに感じます。

細い糸も紡げるし、やってないけど、多分ふんわり太めの糸も紡げるくらいのコシはあるようです。

成長の様子

他の和綿ではない茶綿とほぼ同じです。

木や葉は緑でがっしり。花は白。

生育のスピードはタナ綿ほど遅くなくて、洋綿にしては早い方かなという印象です。

その年の気候にあまり左右されず、数本しか栽培していないわりに、タネを繋いでいけるくらいには収穫ができたので、栽培しやすいほうなのかも。

こちらも数年の栽培でたまってきた綿の繊維を販売します。よろしければご覧ください。


その他の綿1 タナ綿

タネの出所

入手は2013年春、出店中に、お客様から譲られました。

詳しくは当時の記事をご覧ください。

その方の話では、タナローンという生地の原綿と教えていただきましたが、正直、真偽は不明です。

和綿以外の綿・洋綿の白としてまとめてもよいのですが、便宜上、私はタナ綿として分類しています。

本日井の頭公園アートマーケッツ出店中、ご自身も綿を紡がれるというお客様に、白い洋綿の種を頂きました。種はたくさんあるのでお断りしようと思った...

実の大きさ・繊維の長さなど

個体差がありますが、ボリュームのある実。長い繊維は3cm以上、繊維は細めで、量も多めに見えます。

譲られたのは白いタネでしたが、栽培継続数年後、茶が現れるようになりました。それを分別して栽培し、3~4年ほど経過しますが、その間ずっと、茶のタネからは茶ができています。

紡げる糸

白も茶も、長さや細さ、つや、柔らかい肌触りなど繊維の特徴はほぼ同じように見えます。違うのは色だけ。

天然の撚りも結構しっかりしていて、コシは和綿ほどではありませんが、ふんわり太めの糸も紡げました。

細め・普通・太めと意識して紡いだ糸

繊維自体が細いこともあり、細い糸が紡ぎやすい繊維です。

画像の糸・白は50番手、茶は43番手。

タナ綿の成長の様子

和綿ではない綿・いわゆる洋綿の茶や赤茶の成長とほぼ同じです。

木や葉は緑でがっしり。花は白。

私が栽培している他の洋綿と違いがあるとすれば、開絮が遅いこと。

個体差はありますが、基本的に洋綿の茶や緑は、和綿より多少遅れ気味。

それでも結実してある程度膨らんだ実の半分以上は、霜の降りる前に、収穫できる状態まで熟してくれていることが多いです。

対してタナ綿は、半分以下という印象。他はキレイに開かず、歪だったり未熟だったりする実が目に付きます。

遺伝子組換え検査済み

洋綿の白には全般、遺伝子組換え綿の疑いがあり、検査を受けました。

詳細は過去記事をぜひご覧いただければと思います。

2017年に販売を止めたタナ綿(当時の記事はこちら)ですが、諦めきれずに時々検査機関を探していて、この度ようやく検査をお願いすることが出来ま...

一応、問題の遺伝子組換え綿ではないことは判り、一安心でしたが、それまでに収穫していてたタナ綿が、今も結構な量、残っています。

今度の地機布15の細い糸用に、自分で使うつもりでしたが、それでもかなり余りそうなので、繊維を販売することにしました。

販売予定は、今のところ白のみで、無くなり次第終了です。

知らずに栽培されている洋綿の白との交雑が不安

このタナ綿は栽培しても法律違反ではないので、綿畑で栽培しても問題ないのですが、もし万が一、どこか近隣から遺伝子組換え綿の花粉を虫が持ってきてしまったら…?

SNSなどで、遺伝子組換えの可能性があることを知らずに洋綿の白の栽培の様子を載せている人は、けっこう沢山みかけます。

もし近隣で栽培している人がいたら、それらとの交雑の可能性もゼロとは言えません。白いタナ綿は畑での栽培は注意したほうがよさそうだなと考えて控えています。袋でもかけるかな?(メンドクサっ)


遺伝子組換え検査の結果

2017年に販売を止めたタナ綿(当時の記事はこちら)ですが、諦めきれずに時々検査機関を探していて、この度ようやく検査をお願いすることが出来ました。

洋綿白綿の遺伝子組換え検査の結果

既に結果もいただいてます。私が栽培・販売していたタナ綿は、現在主に出回っている遺伝子組換えの綿ではないとのことで、一安心(画像は拡大可)。

2017年以前にこの綿をお譲りした方、購入いただいた皆様には、ご心配ご迷惑おかけいたしました。

そもそも海外から持ち込まれたらしきタネを安易に栽培・販売してしまって大変浅はかだったと反省しております。

日本では遺伝子組換え綿の栽培は法律違反です

今回の検査結果から、タナ綿は栽培しても法律違反にはなりませんが、やはり少し怖い気もするので、できれば譲渡などはせず、しっかり管理(又は破棄)をお願いいたします(記録があれば返金します)。

といいますのも、検査機関の方に丁寧に説明していただいて、私の理解がどこまで追いついているか不確かではありますが…「現在主に出回っている遺伝子組換えの綿ではない(モンサント系)」というだけで、現在登録されている全ての型(参考・GM Approval Database/GM Crops List Cotton (Gossypium hirsutum L.)/ GM Events)についての検査は、ほぼ不可能だという印象を持ちました。

更に、未登録の遺伝子組換えの型が存在する可能性も0とは言えないようです。

それでも洋綿白綿が遺伝子組換え綿かの判断は検査するしかない

今回のこの検査は農水省の定める検査法に基づいているので、これで「検出せず」であれば、法律上「遺伝子組み換えでない」と言えて、栽培しても違反にならないでしょう。ですが、実質は、100%遺伝子組換えでないとは言えないのではないかと思うのです…。

ああ、私の無知のために面倒な問題な皆さんを巻き込んでしまい、本当に申し訳ないです。

遺伝子組換え農産物の検査をしてくれる機関

さて、今回検査をお願いしたのはこちら 一般社団法人 農民連食品分析センター です。検査にご興味のある方は、遺伝子組換え作物検査のページをお読みになり、メールで問い合せると良いかと思います。

同サイトに国内のワタについて調査研究データが第一、第二報と掲載されています。トップのお知らせからか、「調査データ公開」からご覧になれます(綿を栽培したり情報発信されれている方は、ぜひ知っておいたほうが良い情報かと思います。実際にGM綿の栽培が発覚しています)。

もし、問い合わせる前に不安があるとか、検査結果の詳細をお知りになりたいという方は、わたいとやへどうぞお問合せください。判ることはお答えします。

また、分析センターの方には今回のデータ等はどんどん周知のために使って構いませんと許可をいただいております。とても丁寧に真摯に誠実に対応していただいて、大変ありがたかったです。

白綿を栽培・販売している方へ

この内容にも関連して、もう一つ記事を書くつもりです。特に読んで欲しいのは、和綿でない白綿を栽培されている方です。いわゆる洋綿の白ですね。

以前から栽培されている方はオンライン上でも見かけていましたが、ここ数年で、ぐっと増えてきたと感じています。

フリマサイトに限らずCreemaでも販売されているのが気になっています。それらが遺伝子組換え綿である可能性も低くないのではないかと…、そのことについて書くつもりです。

遺伝子組換えの是非は別にして、単に、前述のとおり日本では現在遺伝子組換え綿の栽培は禁止されていて、法律違反になってしまうからです(たとえ有名無実の法律であっても…(汗))。

2017年にタナ綿がそうなのではないかと疑いを持って以降、心のどこかにいつもずっと引っ掛かっていました。私のような思いをする人を減らすためにも、この情報をもう少し広めた方がよいのではないかと思っています。

私のブログでどれだけ影響が及ぶか判りませんが…。それでも、知っていて何もしないのも、ね。できることをやっておけば精神衛生上も少しマシ!


洋綿の白・タナ綿について

2015年のデータですが、全世界のワタの75%が遺伝子組換えだったそうです(参考←リンク先を変更しました2020.7)。

実は、しばらく前から、私の栽培している洋綿の白・タナ綿が、遺伝子組み換え綿(以下GM綿)ではないとは言い切れないのではないかという気がしています。

2013年にタネをいただいた時にはそこまで考えが及びませんでした。農薬や肥料は使われてきたんだろうな…と、ただそれぐらいで。それに、当時タナ湖や周辺のことを調べたりはしましたが、その土地のいわゆる在来的なワタといった印象でした。

一度疑問に思うとなかなか消え去ることは無く、いろいろ調べましたが、やはりどちらともはっきりわからず、不安な日々が続きました。

検査をしてもらおうと問合せた機関からは二件とも断られてしまいました。結局スピニングパーティから、タナ綿はタネ・実綿の販売を中止することにしました。

GM綿に、周囲の作物や環境への強い影響力があるかどうか、という問題は別にして、GM綿の栽培自体が日本では法律違反になるのだそうです。この件について参考になると思われる農林水産省のページを以下にリンクしておきます。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/torikumi/cotton/cotton_detail.html#2(リンク切れの場合、ページのPDF版を保存してありますのでお問合せください)

そういうわけで、タナ綿の栽培はお控え頂く方が良いかと思います。これまでご購入いただいた方はもちろん、差し上げた方にも、余計なご不安ご心配をおかけすることになってしまいました。大変申し訳ありません。

わが畑で3年の自然栽培後、確か昨年のスピニングパーティから少量販売を始め、今年はcreemaでも少し販売しました。ご購入いただいた方からのご希望があれば、返金(切手による)又は他の品と交換いたします。creemaでは3週間で連絡先などが削除されるので、こちらからはご連絡できません。お手数ですが、ご一報くださいますようお願いいたします。

さて、GM綿ではないという確証がないままに販売することはやめました。ですが、私はやはりタナ綿はGMではないと考えています。

タネを下さった方がお書きになったものと思われますが、頂いたタネの入った袋に「エチオピア 2012年収穫(たぶん)」と書いてありました。隣国スーダンはGM綿の栽培国ですが、エチオピアは違うようです(世界の遺伝子組換え農作物栽培状況2013)。

もちろん、これだけでは根拠としては弱いと思います。あの時このタネをくださり、その後一度だけコメントしてくださった「にゃん子さん」、もしこの記事をご覧頂いたら、ご連絡お待ちしております。できれば詳細をお聞きしたいです。

また、GMかどうかの検査をしてくれる機関をご存知の方がいらっしゃいましたら、ご紹介くださると大変助かります。どうぞよろしくお願いいたします。ちなみに、上記農水省のリンクにある「一般からの遺伝子検査の受付」は終了したとの回答をいただいております。

<10/1追記 リバティ社よりタナローンは遺伝子組み換え綿は使用していないとの回答をいただきました。品質のよい超長綿を得るために原産地を変えることもあるそうですが、現在はインドが主な生産地とのことでした。それでも私の譲り受けたタネが同じ品種かはわかりませんが…>

更に後日談・遺伝子組換え綿の検査結果

2017年に販売を止めたタナ綿(当時の記事はこちら)ですが、諦めきれずに時々検査機関を探していて、この度ようやく検査をお願いすることが出来ま...