コラム・考察風一覧

綿紡ぎが上手くいかない時の改善ポイント

これまでYouTubeで投稿してきた、初めて綿を紡ぐ方向けの動画をご覧いただいてる前提でお話しています。

この記事もその前提で書いていますm(_ _)m

綿を紡ぎたいけど紡げない、ちぎれる、糸にならない、そんな時に試して欲しいこと。紡ぐ動作と素材から綿を紡ぐ際のコツを考える(音声有・高画質視聴推奨) Tips for Cotton spinning

糸が千切れる主な原因と対処のまとめ

動画でお話したことをまとめると下図の通り。

この記事を書く時に思いついて作った図なんですが、、、動画撮影時に思いつけば動画内で使えたのに…その方がずっと判りやすくできたかも、と(汗)

まあでも、せっかく映像を見ながらの解説ができるのだから、あまり文字は多くない方がいいかなとも…。

動作の可視化・調整

動画内で使用していたスピンドルはわたいとやで販売している、編針と厚紙でできた簡易スピンドルです。

惜しみなく印をつけたり、シールを貼ったりできます^^;

スピンドルについてもう少しお知りになりたい方は、別記事を参照ください。

あと、動画の中で、たとえば一回転したら1cm引いてるように見えたからといって、同じように真似たら切れてしまうこともあるかもしれません。

それは、篠綿の状態や、紡ぐ糸の太さなどによって、撚りと引きのバランスは変わるため。

(2021.5.9 追記 スピンドルを選ぶとき、作る時に参考になるかもしれない動画をYouTubeに投稿しました。その際、この...
以前スピンドルについての記事を書いた時の3本。その後、見つけだされた2本。それらにチャルカのスピンドルを加え、計6本のスピンド...

ご自身の紡いでいる綿や糸を観察して、いろいろ調整してみてくださいね。

簡易スピンドル単体の販売ページはこちらです。

必ず最後までお読みください。ご質問・相談は注文前にお願い致します。注文後の変更・キャンセルは原則不可です。「特定商取引法に関する表記」もご確認ください。( ------------------------------- 綿の簡易糸紡ぎキットに入っているスピンドルです。 ・円形厚紙 2枚 ・竹製かぎ針 1本 長さ約15...

素材の最適化

綿の品種による違い

和綿と洋綿の違いについてはこちらの記事をどうぞ。

 Contents ヒト都合の使い分け&参考図書植物学上の違いわかりやすい見た目の特徴実の付き方・形状花葉・草姿・草勢などタネの大...

それぞれの綿の繊維のアップ画像は各綿のカテゴリーからご覧になれます。

定規の左)和綿以外 定規の右)和綿

綿の繊維の質

動画内で、未熟・歪(いびつ)な綿の繊維は天然の撚りも弱そう、紡げないことはないけど初めて紡ぐ綿としては推奨しない、とお話しています。

全体的に未熟だったり、一部が歪だったりいろんな綿があるかと思いますが、それはそれで集めて紡いでみると、紡ぎ感の違いなども判って面白いかもしれませんね。

畑で弾けず室内に放置していた綿たち。なんとか繊維にはなっていて使えそうなのだけ選別します。こうした未熟な実の場合、繊維が短い、天然の撚りがか...
収穫量が少なかった時は自分用に混ぜて使ってました

綿繰り器でタネと分けた綿の繊維に短い繊維も含まれてしまうという話も、以前書いた記事があります。

極細の糸を紡ぐわけでもない限り、それほど気にしなくてもいいと思うのですが、紡ぎ慣れないうちは意図せず極細になったりして、千切れることもありますよね💦

綿繰り器といえば、綿のタネ採りが楽になる、早くできる、キレイに繊維とタネに分けられるというとっても便利な道具です。 でも、この「キレイにとれ...

繊維の整え方

動画内で、手で解したのみ・密度不揃いの綿から紡ぐ様子と、カーディングされて密度の整った篠綿から紡ぐ様子をご覧いただいたかと思います。

篠綿の出来は、紡ぎやすさや紡げる糸に影響することは明らかです。

ただ、初めのうちは、整った篠綿で紡ぐ感覚を覚えて、慣れてきたら、手で解しただけの綿を紡いでみるのもおススメです。

綿の色合いをそのまま表現したような糸になるし、紡ぐ過程でも、いろいろ発見があるのではないでしょうか^^

昨年収穫の綿から、品種・色分けして紡いだ糸。画像は緯糸。これまたカードがけせずに紡いだので、ケバケバのデコボコです。 これから織り始め、同...

今回の動画は、作成中にバタバタ家の事があって、何となくまとまりが無いような感じになってしまった気がしていましたが、ブログ記事の上表でなんとかまとまったかな??(汗) 

紡げない初心者の方向け、となってはいますが、結構いろんなレベルの人に、様々なことを改めて認識していただけるような内容でもあるのではないか…と勝手に思っています^^;  


もしご自身で収穫した綿が未熟かどうか判らない、健全に開いた綿を見て触って紡いでみたい方には、わたいとやで栽培・収穫している実綿を上記STORESやCreemaで販売していますので、ご検討ください!

篠綿も、初心者の方が紡ぎやすいように整えたものを、キットや単品で販売しています。

画像などをご覧いただいて参考にしていただくのもよいかと。よろしくどうぞ!

【ご注文・質問前に確認いただきたいこと】○作品説明文の内容にご理解ご納得いただける方とのみお取引いたします。説明文を読まれない・取引ナビで連絡が取れない・対応が不誠実である等、お取引相手として適さない行為がなされた場合、購入者キャンセルとし、以降のお取引をお断りしますのでご了承ください。○作品や配送についてのご質問など...

綿の木と花の色の変化に関する動画

綿の木の様々な部位が色づく様子を動画にして投稿しました。

通常の意味の「紅葉」から花の色変化の実験まで、内容がばらばらに感じられるかもしれませんが(汗)、「赤みがかる」繋がりでまとめた感じ。

…あんまり興味のある人はいないかな、マニアック過ぎるかなと思いつつ、以下動画の補足です。

綿の花と木の紅葉 ~葉や花色の変化・和綿の赤木と緑木について、つらつらと…若干マニアックな内容かも【部分的に音あり】

赤い木と緑の木という分類

動画でご紹介した「赤木」「緑木」については、たしか、古い文献『綿圃要務』などにも記載があったように記憶しています。

数年前には鴨川和綿農園の小冊子でも見かけました。

どちらも「緑」ではなくて、「青」でしたが。

日本で栽培が広まった4~5百年前の頃から、すでに赤く見せるアントシアニンが出やすい品種、出にくい品種があったということなのでしょうか。

綿好きなら知らない人はいないと思う鴨川和綿農園さん。以前発行されていた冊子『わたわたコットン』の創刊からの4冊は、私が畑をはじめた10年近く...
緑色の木と赤みがかった木 2012年8月1日の紫蘇(シソ)綿の画像。 この畝は全て紫蘇綿なのだけど、手前は赤みがかった木、その奥は赤みのない...

和綿以外の綿でも、赤味の強い品種があります。私が栽培しているものでは、緑綿と敦煌の白。

緑綿は赤木と緑木を分けて栽培しています。リンクの記事をご覧いただくと判るように、木も花の色も違います。

必ずしも同じものが同じようにできるわけではないのが植物。 緑綿の畝に、赤い花でない花が咲いているのに気づいたのは7、8年前。 茶綿でも混ざっ...

緑綿の緑木と赤木の繊維の違いはビミョーで、そもそも色も繊維質も不安定なので、どちらも様々似ているモノもあれば違いのハッキリしているものもあり。

敦煌の白は、2019年のスピニングパーティの際に譲られたタネです。翌2020年は播き忘れて、2021年に初めて栽培。栽培歴が2年目と短いのでまだ観察中です。緑綿よりも濃い暗い赤い実が印象的。

敦煌 2022/8/30

秋の紅葉としては、緑綿などの赤木はそもそも葉脈などに赤みのある葉に、そのまま赤い面積が増えていくような。

洋綿の緑木は赤と黄色が混ざってる感じ。

今年は、和綿はどちらも黄色くなってきてるけど、まだまだ緑。

緑綿の白花緑木の紅葉はじめ 2022/10/20

赤木と緑木があるからだからどうなんだ、と言われるかもしれませんが(汗)。ウチの自然農畑では、和綿の緑木は育ちにくいです。大島もシソの緑も。木はそれなりに育つけど、実の立派なものができにくい。小さかったり未熟だったり。もう5年以上になるけど、どちらもやはり今年もイマイチです。

つまり、その環境に合う合わないがあるのではないかと。赤木の和綿が育ちにくい畑では、諦めずに緑木を試してみるといいかもしれませんし、その逆もまた然りかと。推測ですけど。

もちろんその地方(あるいは似た気候の土地)に受け継がれてきた品種であることも、育ちやすさに関係しているのでしょうけど、どちらにしろ、やはり環境に適応していくまで2~3年はタネの採種と播種のサイクルを続けてみたほうがよいと思います。

赤くなってしぼむ花

日本植物生理学会のQ&Aで「ワタ アントシアニン」で検索して出てくる情報から考えると、綿の花が赤くしぼむのは、花びらの老化+日照という条件が揃ってこそ起きる現象のようです。

花びらの老化は、受精が完了し、不要になった花を落とすために起こるのだとか。

サクラはつぼみがピンクで、咲くと白っぽくて、 古くなってくると中心が赤くなるようです これはどう…

ワタは基本的に自家受粉で、開花したらほぼ確実に受精するなら、「老化」の方も確実。

というか、ずっと咲き続ける花は無いし、老化は受精未授精に関係なく起きるよね??(汗)

つまり、花が赤くなるための条件は、充分な日照があったかどうか、と推測できるわけで。

動画内で紹介・過去記事にもある実験でも、そのように考えられるわけです。

綿の花は基本的に開花後、徐々に赤みがかって、一日で閉じる。これは私の栽培している和綿もその他の綿も同じ。 1枚目の画像の左下がこれから開く...

でももし「基本自家受粉」という前提が間違っていたら、また違う推測が出きるかもしれません。

あらたな疑問…だらだらした話

基本自家受粉は間違いないと思いますが…でもそれなら、なぜあんな目立つ花が必要なんでしょうね…稲類や豆類のように目立たない花でもよさそうだけど??

基本自家受粉で遺伝的安定を選ぶけど、時々は他家受粉もして、一定の多様性を保つためとか??

主に一年草園芸草花を中心に、種子から育てる園芸を楽しんでいます。 近交弱勢について調べていて、疑問に…

数年同じ畑で同じ種を継いで栽培していると、徐々に実が小さくなるなどの話を聞きます。

土による連作障害も考えられるけど、自家受粉が続くことによる行き詰まりのせいという考え方もあるのかも…と思っていました(だからこそ大きい実を求めるならタネの選抜が大事かと)。

でもこのQAの回答を見るとそうでもなさそうだなぁと思えてきます…

高校で、メンデルの行った遺伝の実験について学びました。実験で用いられたエンドウの特徴のひとつに、「エ…

自家受粉が最適、もしくはベストではないにしろベターだから、自家受粉で生き続けてきたともいえるのかな??

まあワタは紀元前から人の手で選抜・交配が続けられてきた栽培植物なのでしょうから、ある程度、自然な流れに思えない部分があってもおかしくないような気もします。

綿の繊維の色の日照による変化

これについては調べきれてないので、自分で気づいて確認できていることだけメモしておきます。

茶綿の茶は日照によって濃くなる、と言われていますが、確かに私の栽培している茶綿は皆その傾向があります。

それが、本当に日照によるものなのか、アントシアニンによるものなのかは不明。

ただ、洗濯や使用を繰り返していると、普通に茶の色は薄くなっていきました。

12月まで待っても実が開かず、さらに持ち帰って室内で開くのを待つこともせず、畑に木ごとそのまま放置した実のなかで、春にキレイに開い...

緑綿の緑は日照によって薄くなる。

これも明らかにそうなんですけど、日照だけが原因なのか、酸化など他の要素もあるのかはワカリマセン。

「緑綿ばらえてぃ」の記事では、さまざまな実の色をご紹介しましたが、こちらは、その色の変化についての記事です。 日照か酸化か経...

原始機の勉強-筬無しで経糸緯糸を揃える(+追記あり)

原始機・腰機の経験者、又は多少でも織物について知識のある方向けの内容です。といいつつ、私自身もさほど詳しいわけではないので、難しい内容ではないと思いますが、織りの用語などの説明は省略しています(ちょっと長いです)。

以前、綿つむぎの会で、原始機の作り方・織り方をお伝えした方々、もし見ていらしたら、参考にしていただければ幸いです。

四方耳織(+)

数か月前、ある方がとても嬉しいメールをくださいました。有難くて嬉しすぎて、文面にあった興味を引く言葉とお名前でGoogle検索してしまいました。

その方は原始機で四方耳織をしている鈴木かつ子さん(氏名等掲載許可受諾済)。

四方耳織りについては、数年前に綿工房さんのWSで聞いたことがありました。

すごくカンタンにいうと、整経時、織り始め織り終わり共に、輪になるようにして。

織り始めの端(輪)まで緯糸を入れ、織り終り側と位置を逆転して、同じように緯糸を入れ、その間を埋めていくことで、四方を耳にしていく織り方だそうです。

原始機による四方耳織作品 by 鈴木かつ子さん

経糸の無駄を減らせるし、耳が多いのはいいなと思ったけど、最後の隙間を、経糸を交互に拾いつつ埋める作業は、根気の無い私にはムリ(汗)ということで、地機布15でも三方耳に挑戦しただけでした。

【追記・鈴木さんの現在の四方耳織りは、輪で整経した経糸を切らないで原始機に組み立て、その輪の始めから終わりまで1本の緯糸を通すというやり方。鈴木さんが織ったものに添える栞には、「‥‥糸という線が布という面へと切れ目なくつながって、まるで陰陽の気が流れ始める‥‥」と書かれていて、この最後の緯糸を通し終わった時、それを実感できるのだそう。両端から寄せて途中で緯糸を出合わせるより、片側の仮織りを少しずつ解きながら、隙間を作りながら織っていく、少し楽なやり方なのです、とのことでした】

が、メールをいただいた後、検索した鈴木さんの作品を拝見していて、あることに気づきました。

(リンクは張りませんので、画像検索を。作品やイベント中の画像などあり)

筬の無い織り

原始機やベルト織り・カード織りのような、筬の無い織りの場合、表に現れるのは経糸だけで、緯糸はほとんど織地に出てこない織り方がされることが多いなと思っていましたが、鈴木さんの原始機作品はそうではありませんでした。

カード織 by wataitoya…あまり良い見本では…(汗)

いわゆる畳織りのように経糸が隠れて緯糸がメインになったりもしていないし、経糸が中央に寄ってしまったりもしていない。

鈴木さんの原始機作品は、筬がなくても経糸緯糸がそれなりにバランスよく表面に現れていました。

耳もキレイで、中央と耳側で経糸の密度もほぼ同じに見えます。

by wataitoya 筬が無いと両端と中央で密度が不揃いに

何かコツがあるのでしょうか、教えていただくことは可能でしょうかと、図々しくもお願いしましたら、聞き入れてくださいました。

経糸緯糸の密度をできるだけ均すポイント(+)

前置きが長くなりましたが、7月の初めにお宅に伺って実際に整経からある程度織り続けるところまで拝見しました。

以下が、教えていただいた点、気づいた点。

  1. 整経時、両端(耳左右)の2本(輪の1本)はキツメ
  2. 織り始め織り終りの輪を通す紐はよく張って、中央を広め、耳側を狭めに配置
  3. 整経時キツメにした耳二本も改めてキツメに調整
  4. 筒状の棒と釘で巾だしとする(伸子)
  5. 約5cm織るごとにの織り進み分を測る。斜めになっていないかチェック
  6. もちろん糸選びと密度も大事

たぶんまだまだいろいろあると思いますが、今の時点の備忘録としてこのくらいです。

【追記・整経本数は1往復分多くなり(輪にする為)、織り巾の枠外に配置】

この後まだ自分で実際に織れていませんが、上記のポイントに気をつけながら織ってみて初めて気づくこともあると思いますので、追記していきます。

筒と釘を使った伸子(幅出し)

原始機で伸縮性のある織り作品

ご自宅で見せていただいた鈴木さんの作品はどれもステキだったのですが、なかでも興味を惹かれたのがこれ。経糸が強撚の糸のようで、経糸方向にとてもよく伸縮します。

伸縮性があって服にも使いやすそうで、こんな布が織れたら…と思いますが、強撚糸で織りって大変そうなので、いつかね、いつか…。

久々の遠出、しかも帰路の電車を間違えたこともあり(汗)、そこそこ疲れましたが、見聞きしたことはとても勉強になったので、これから自分で試すのが楽しみです。

鈴木さんはじめ、お世話になった教室の皆様、ありがとうございました!

原始機で織ることは自分自身のアップデートかもしれない

最後に、織り方のコツやテクニックではないのですが、もうひとつ、鈴木さんの原始機の織りを見ていて感じたことなど。

緯糸1本1本の扱いがとても丁寧で、その割に慣れた動作ですいすい織っているようにも見え。

経糸の位置・隙間を決める(中央は広め・耳側は狭め)

ゆっくりでいい、急ぐ必要はないというようなこともおっしゃっていたのを耳にして、あ、そうだなぁと思いました。より早く・沢山作るための効率を求めて、時代が進むにつれ様々な道具が出来てきたんだろうけど、それらが無ければこれが当たり前なんだ、と。

道具が無くてもできるようになるなら、これも見方よってはアップデートかも。

ウチには地機も竹筬もあるけど、自分の寿命に向けて、大きな道具は徐々に処分して、最小限の小さな道具だけ残すつもりでいるので、その時何ができるか、今から考えたりしている。

筬を手放したら、経糸と緯糸が同等に現れて服地にも使いやすい平織は難しいかな…織物は限られたものだけになって、編物メインになるかな…と予想していた。

でも、今回のことで、こんな風にゆっくり織物も続けられそうだなぁと。

経糸を広げつつ緯糸を入れ押さえる(完成品は1枚目の画像)

世間はいろいろあるけど、できれば常に、自分にとって新しい楽しみを持ちながら生きられるといいなぁと思いました。最後はとりとめのない話で終わりです。お疲れ様でした!


綿の手紡ぎ糸の撚り止め方法とその仕組み~最小限の手間で効果を上げる方法を考える

以前投稿した『錘で撚り止め動画』を観て、勘違いされた方がいたら申し訳ない。

綿の繊維は温度で形状を変えない(焦げない限り?)ので、「お湯で煮る→撚りが止まる」わけではありません。

むしろ重要なのは以前の動画にない、干す時、水分が抜ける間の形状。

綿の手紡ぎ糸の撚り止め。綿を紡ぎ、綛上げ後の作業。仕組みを知って、余計な手間や燃費をかけない工夫をしたくて実験してみた

つまり「干すまでが撚り止め」というのが今回の動画です。

でもまあ実際お湯で煮たら干すのが普通なので、「煮て撚り止め」で通じるのですが…。

追記 2022/2/11 ついでに同時にやってしまう人はいるけど…厳密にいうと「精練」は綿の油落とし(綿の場合)。「撚り止め」とは目的が違います。混同されているのをよく見かけますので、念の為。私は手紡ぎ綿の精練は不要と考えています。

緯糸はチャルカで紡ぎ、刀杼に収まるように錘をつくり、撚止めして脱水、そのまま織っている。いつも通り未精練。 先週参加したタリフさんの...

撚り止めの温度・時間

「沸騰まで」「沸騰して何分」といろいろ言われたり書かれたりしていますが、その根拠について述べられていることは少ないです。

私の考えでは、水分が綿の繊維の油分を通過して、全体にしみ込むまでの温度・時間は最低限必要。

ペットボトルは手軽だけど中央の凹みが厄介

それはつまり綿の繊維の質や、糸の太さ・量によって異なるわけです。

長時間やっても特に問題はないかもしれませんが、私はあまり綿の天然の油を落としたくないので、繊維に浸水したのに気づいたら、すぐ火は止めてしまいます。ガス代節約。

(もしかしたら低温の水でも、アルカリ度が高いと油を通過(?)してすぐに水分を吸うかも??)

それと綛をねじってツイストドーナツ状にしたまま撚り止めしている方もいらっしゃいますが、繊維に水分がしみこむ時間が余計にかかります。できれば綛は輪の状態で撚り止めがベストかと。乱れるのが心配なら、きつくせず、軽く綛ごと撚るなどしておくとよいかと思います。

錘のまま撚り止めすることもありますが、あれはそれなりにメリットがあります。綛あげや糸繰はかなりの手間で、それら省略できるため。

少しガス代はかかるし錘の内と外で繊維の状態に差はできるかもしれないけど、それらを天秤にかけて、錘のままの撚り止めを選ぶこともあります。

綿の手紡ぎ糸の撚り止め(よりどめ) 錘(つむ)に紡いだ糸から綛(かせ)にする前に撚り止めする方法。この後、干すまでが撚り止め作業(→より詳細な別動画あり)

乾燥する時の重し

重しをして干せばある程度撚り縮みは伸びるけど、あんまり重すぎると糸のふんわり感が損なわれるかも?

撚りが甘くてあまり捩れないなら重し自体いらないかも。

私は以前は、干す前にグッと引き伸ばしてから、綛の輪を開いて干していました(画像参照)

左)強撚 右)撚り甘め
 

重石は撚りの強さによって変える。どんな糸が欲しいのかによっても。でも基本的には捩れない程度の適度な重さでよいのではないかと思います。

先人の言われたやり方をそのまま踏襲するだけではなく、自分でもなぜそうするのか、なぜそうなるのか考える。一つの方法に固執せず、ケースバイケースで応用するには、その作業の意味を知ることが大事です。

スネイル問題

撚り止めとは関係ないのですが(重しのせいでもない)。

チャルカではまずできないけど、足踏み紡ぎ車だと時々この捩れが残ってしまいます。これができてしまう原因については長くなるので、またそのうち(細めの糸の時だけ。私だけかもしれないし、綿つむぎだけかもしれない…)。

今回のは綛上げ時のたるみが原因ぽい

チャルカでもスピンドルでも撚り加減のバラつきはできるけど、それらに比べて足踏み式の紡ぎ車はどうしても撚り加減にばらつきが出やすいと思います。

まあそれも手紡ぎ故だし、綿だけなのか私だけなのか判りませんが、以前より随分減ったので、あまり気にしてません。

ただ、綛上げの時に伸ばすようにしてても、細い糸だと見逃してしまうことも。

スネイル自体はそこだけ濡らして伸ばしておけば解消できるけど、その結果、綛から飛び出したり弛んだりして扱いやすい綛とは言えません。

糊付けの時も気をつけないと。後々の作業にどんどん影響してしまうので、できるだけ響かないようにしておきたいんですけどねー。

ひびろ糸

手紡ぎ糸の糊付け風景を動画にしました。 使ったのは地機布15の試織用である、少量の細めの糸。 数年前に生葉で染めた...

今回のひびろ糸は地機布13の経糸で、結び方も変えてみました。

今までは単なる綾にしていた中央の部分、ほぼズレませんでした。

手紡ぎの糸だから摩擦のせいかもしれないけど、いつも手紡ぎの糸だし…しばらくこの結び方で様子見。


コットン用ハンドカーダーの選び方動画(追記あり)

コットン用ハンドカーダーを選ぶには、間違えずにコットン・短繊維用を選びましょう、というそのまんまの動画です。

一応他に持ち手などについてもお話ししています(汗)

今回の動画を撮っていて、今まで気づいていなかったことが結構あって、まだまだだなぁと、いつまで経っても思います。

コットン用ハンドカーダーを選ぶ時は間違えずにコットン・短繊維用を選ぶこと(音声有)【綿を紡ぐ前の篠綿づくりの大事な道具・ハンドカーダー】針布の違いや持ち手・形などについてのお話

左右両端の針は少なめ

たとえば 動画の中でも字幕でお見せしたのですが、カーダーの左右両端は、一針おきに抜かれていて中央側より少ないです。

なんとなく以前から違和感のようなものを感じていたのですが、これってどんな意味があるのでしょうね? ? 端っこまで全面使いたい気もするんだけど…

普通サイズはまだしもハーフサイズだとカード出来る面積が更に減ってしまいますね。

この動画内でお見せしたカーダーの針布すべてが左右端2列こんな風でした。外国の画像とか見ても、大体端っこは針が少なかったです。なぜなのでしょう。ご存知の方がいらしたら、ぜひ教えていただききたいです!

まあでも、針が多ければ多いほどいい、キレイにカード出来るというわけではなく、多ければそれだけ、まだ塊の多い最初の段階では解かし難いでしょうから。繊維の状態に対して適切な密度があるのだろうと思います。

針布はぷにぷにしてる

コットン用の針布は針布台にぴったり貼り付いているわけではなくて、中央はぷにぷにして浮いているようなんです。

ぴったり貼り付いていないことも針の柔軟性に影響するのかな?

私の持ってる羊毛用のカーダーはぷにぷにしてなくて、コンコンという硬質な音がするくらいぴったり貼り付いていました。

羊毛用のカーダーの針

私の持っているのだけ たまたまなのか?

羊毛用のカーダーと言えば、動画内でも字幕テロップでお伝えしましたが、針がとても鋭利でコワイというかイタイ。

そういえば、カーダーをいろいろ調べているなかで、針にやすりをかけるという英語の記事を見つけました。

でも、ルエのようなつるつるの仕上がりの道具の針にバリが残っているとか考えにくいです…が、この羊毛用は必要な気がする(汗)…けど意味があってこの形なのかもしれませんね??

12/30追記) バリについてはわかりませんが…ルエを購入した時についていた説明書(?)には、針に加工時の油が残っているかもしれないから、最初にカーディングする繊維は不要なものを使うようにと書いてありました。

初めて購入したのがルエでよかった

初めてルエを購入した時の記事がありました。まだ晴海でスピニングパーティーを開催していた頃。

ルエにしたのは、たまたま。アシュフォードの方が安かったけど、ちょっと無骨な感じがしてて、他に目に付いたのがルエしかなかったような。

なんかスマートにみえたのかも。深く考えたり、調べたりはしてませんでした。

今年は行こうか悩んでいたのですが、ちょうど都内へ行く用事が入ったので、ちょっと足を伸ばして行くことにしました。 昨年も購入した無臭柿渋。昨...

当時はまだ今の1/2くらいの価格だったせいもあるかな(汗) でも10年以上使えてるし、いい買い物ができたなぁと思います。

コットン用ハンドカーダーの入手先

私が今回の動画で使ったハンドカーダーの入手先は以下の通り。特になにもいただいてません(汗)。

【ルエ】 Louet コットン用(大) 

KakaraWoolworksで販売中。私も以前カカラさんからハーフサイズを仕入れて、少量のみ販売していました。

オランダのメーカーなので、為替変動と人件費とかかな…ちょっと悩む価格になってしまってます。モノはイイ!

 
柿渋塗布・10年モノ

アナンダ】 

  • インド製コットン用(これはもう無いようです)
  • アナンダ製ハーフコットン用

(大)サイズの方も比較的購入しやすい価格といえるかな。

針布密度の記載がないのですが、たぶん100は超えてるよう。

実際カーディングしてみても、針布はコットン用として特に問題ないものだと思いました。あとは他の持ち手などの要素で納得いけば。サンドペーパーがあるといいかも。

…やっぱ日本の人件費は安いのかなと余計な心配しちゃうけどね(汗)

【羊毛用】

これは親戚からの譲られモノで判らないのですが、形は稲垣機料で販売されているものと似ているようです。

ただコットン用として販売されているので、違うモノなのかも。

針布の密度などの記載も無く、不明です。

あとこれ、持ち手が長いのは何でしょう、持ち方次第ではやりやすいのでしょうか…??少なくとも体の小さいヒト向きではない気がしますが…。

他にも検索すると他メーカーのモノ含めて出てきます。いろいろ調べて納得いく選択ができますように!