(2021.5.9 追記 スピンドルを選ぶとき、作る時に参考になるかもしれない動画をYouTubeに投稿しました。その際、この記事も多少書き換えが必要と感じ、少しまとめ直しました。「初心者さんには、手で支えて、手で回すサポート式紡ぎが、どのくらいの撚りを加えたかを認識しやすいという理由で、おススメ」と考えていることに変更ありません)
私はコレクターではないので、使ったことのあるスピンドルはこれだけ。右から、
始めた頃は菜箸で手作りしたのもあったりしました。
動画作成の際、他に2本発掘されました(汗)
綿に向いてるのは?
紡ぐ方式にも道具にも、その紡ぐ繊維に向いたものがあると思います。
ちなみに私が持っているスピンドルは、すべて綿や短繊維向き。
これらのスピンドルで羊毛も紡げないことはありませんが、カギ部分からはみ出るような太めの糸は難しいです。
太めの糸を紡いでも、あっという間に糸がたまって、巻くことができなくなりますから、あまり実用的な使い方ではないかと思います。
サポートとドロップ
基本的にスピンドルで糸を紡ぐ方法は、その紡ぎスタイルによって、大まかに2種類に分類されるようです。
- サポート式 … 主に床やテーブルなどに置いて、コマのように回す・手で回す
- ドロップ式 … 主に空中に吊るして回す
よく「サポートスピンドル」と言われる道具は、円盤とカギ部分が遠いもの、「ドロップスピンドル」は近いものという理解がわかりやすいかと思います(カギ状の部分がない場合は、尖っているか、くぼみがある)
「サポートスピンドル」はサポート式で紡げますし、ドロップ式でも紡げます。「ドロップスピンドル」はドロップ式で紡げますが、テーブルや床に置いて回すサポート式はできません。ただ、手で支えて(サポートして)回すことはできます。
どうです、ややこしくなってきたでしょう(笑)
この「紡ぐ方式」と、「道具の名称」とがごっちゃになって、ややこしいというか、わかりにくい(んー?という記述も時々見かけるので、私の理解が間違ってるのかなと、いつも不安になる)
でも、これでたぶん合ってると思います。間違ってたら教えてください(汗)。
道具の名前は、「スピンドル」で統一した方が、間違いがない気がします…ということで、上記、修正しました。サポートでもドロップでもどちらでも使えるものもあるし…私はもう今後「スピンドル」でいきます!
初めてスピンドルで綿を紡ぐなら
わたしのおススメする初心者向けの綿の紡ぎ方は、手で回すサポート式の紡ぎ方。
その理由は以下2点。
- 撚り加減のコントロールがしやすい
- どれくらい撚りをかけたかを自覚しやすい
受け皿などでコマのようにエイヤっと回すサポート式だと、はじめは撚り加減がわかりにくいかと思うのです。慣れてくれば、手に伝わる加減で判ってきます…カンのいい人はすぐできるかも(汗)。
でもやはり初めて紡ぐとき、感覚をつかみやすいのは、手で回しやすいスピンドルを使って、手で一回転ずつ回す方式だと、私は思っています。
なので、手で回しやすいスピンドル、持つ部分が細すぎず太すぎず、自分の手に合う大きさ太さ、長さのものがよいかと思います。
紡ぐ感覚に慣れてきたら
繊維の繋がる感覚と千切れる感覚に慣れてきたら、その頃に糸の強さも安定してくると思います。
すると空中に吊るすドロップ式で、一気にたくさんの撚りをかけられるようになります。
その時のためにも、あまり重すぎないスピンドルを選びましょう。重すぎると、最初、手で支えて回すときに疲れます。
また、それなりに糸を強くしないと、吊るしたときの重みによって切れてしまいます。重みに耐える強い糸を紡がなくてはなりません。
強い糸だけを紡ぎたければそれでもいいのですが、いろんな糸を紡ぎたければ、軽めのものを選んでおき、後から重しになるものを工夫して付け足してはいかがでしょうか。
綿の紡ぎ初心者向き・オススメのスピンドル
ということで、私の綿の紡ぎ初心者向けのお勧めスピンドルは、
- 手で一回転ずつ回しやすい
- よく回転する程度の重み、大きさの円盤があって、でも疲れない軽さ
細い糸、太いふんわりした糸など、もし作りたい糸のイメージがあるなら、それに向いたスピンドルを選ぶのももちろんよいと思います。
ただ、それらで上手くできなかった、または最初から自信がないという場合は、上記のようなスピンドルで始められると、上手くいきやすい、紡ぎがスムーズにはじめやすいかもしません。
スピンドルを手作りする時に大事なこと
手作りするにしても、最初は軽いものをおすすめします。
それこそ、自分で重さはカスタマイズできるし^^
手作りする時に大事なことは…
- きちんと円の中心に軸棒がくるようにする
- 円盤がぐらぐら動かないように固定させる
スムーズによく回転するように作りましょう^^
羊毛用のスピンドルで綿を紡ぐときは
繊維の長めな羊毛用のスピンドルは、比較的重めのものが多いので、繊維の短めな綿をドロップ式で紡ぐのは難しいです。サポート式で紡ぐなら特に問題はないかと思います。糸にかかる重みが問題にならないからです。
ただ、羊毛の経験者ならともかく、紡ぎ自体の初心者が、綿をはじめて紡ぐのに適しているかというと、ベストではないかなと、個人的には思います。
理由は、前述のとおり、撚り加減のコントロール性です。
タクリの優れた点とは
タクリはサポート式でもドロップ式でも紡げます。金属なので結構重め。でもこれは錯覚。大きさや見た目との関係でそう感じるだけみたいです。
もともとは、繊維長めな綿を、細く紡ぐのに適した道具なのではないかと思います。
でも、和綿もふつうに紡げるし、太めの糸も紡げないことはないし、なにより、コンパクトで安くて入手しやすい道具(最近は入手困難らしい)。
タクリのいいと思うところは、最初の糸づくりが楽にできるところです。
綿から引き出す最初の糸は、指で撚って作りますが、時々、それがちょっと難しいという方がいらっしゃるのです。
でもタクリなら、カギ部分を綿に引っ掛けて撚ることで、カンタンに糸を引き出せるので、指が上手に動かない方にもおススメかなと思います。
カギがS字上部型ネジフックのスピンドルでもこの方法は可能だと思いますが、個人的にあのカギネジフックが好きではない(汗)ので、使ったことはありません。
タクリもいいなぁと思うのは最初の糸づくりと、下に置いてよく回転する点。ただ、手で支えながら回すのはイマイチ回しにくいし、私にしては重めだし、回転させるときに糸に触れてしまうのが、私的には気になります。紡いだ糸を巻くのも、巻きにくさを感じたけど…これは慣れかな(汗)
入手先例
タクリは国内ではこちらが一番安いのかな? → アナンダさん
カギ針でできた簡易スピンドルは、CreemaやSTORESで販売している「初心者向け「綿の簡易糸紡ぎキット・スピンドル付」に入っています(キットについてはこちらの記事もどうぞ!)。
紡げる綿はあるけど…という方には、お試し用に簡易スピンドルのみも販売しています。STORESでどうぞ。
綿の糸紡ぎ用 簡易スピンドル
前述の、スピンドル動画についての記事はこちらです。
スピンドル・チャルカ・紡ぎ車など、道具による撚りのかかり方の違いについての記事もよろしければご覧ください。