私はコレクターではないので、使ったことのあるスピンドルはこれだけ。
右から、
- 綿工房さんの星形スピンドル
- 「綿の糸紡ぎキット」に入れている簡易スピンドル
- 昔ながらのインドのタクリ
始めた頃は菜箸で手作りしたのもあったりしました。
綿に向いてるのは?
紡ぐ方式にも道具にも、その紡ぐ繊維に向いたものがあると思います。
ちなみに私が持っているスピンドルは、すべて綿や短繊維向き。
これらのスピンドルで羊毛も紡げないことはありませんが、カギ部分を外れてしまうような太めの糸は難しいです。
太めの糸を紡いでも、あっという間に糸がたまって、巻くことができなくなりますから、あまり実用的な使い方ではないかと。
サポートとドロップ
基本的にスピンドルで糸を紡ぐ方法は、その紡ぎスタイルによって、大まかに2種類に分類されるようです。
- サポート式 主に床やテーブルなどに置いて、コマのように回転
- ドロップ式 主に空中に吊るして回転
よく「サポートスピンドル」と言われる道具は、円盤とカギ部分が遠いもの、「ドロップスピンドル」は近いものという理解がわかりやすいかと思います(カギ状の部分がない場合は、尖っているか、くぼみがある)
- 「サポートスピンドル」はサポート式で紡げますし、ドロップ式でも紡げます。
- 「ドロップスピンドル」はドロップ式で紡げますが、テーブルや床に置いて回すサポート式はできません。ただ、手で支えて(サポートして)回すことはできます。
どうです、ややこしくなってきたでしょう(笑)
この「紡ぐ方式」と、「道具の名称」とがごっちゃになって、ややこしいというか、わかりにくい(んー?という記述も時々見かけるので、私の理解が間違ってるのかなと、いつも不安になる)
でも、これでたぶん合ってると思います。間違ってたら教えてください(汗)。
綿を紡ぐスピンドルの選び方
わたしのおススメする初心者向けの綿の紡ぎ方は、ドロップスピンドルのサポート式。
判りにくいですね(汗)。つまり、いわゆる「ドロップスピンドル」、カギ部分と円盤が近いスピンドルを手で支えつつ、手でクルクル回して撚りをかける方式がおススメと考えています。
この方法だと、撚り加減のコントロールがしやすいし、どれくらい撚りをかけたかを自覚しやすいからです。
床におくサポート式でコマのように遠心力でエイヤっと回してしまうと、撚り加減がわかりにくいのです。慣れてくれば判ると思います。カンのいい人も(汗)。
サポートスピンドルでも、手で回すことはできるけど…ちょっと回しにくいかな? まあ私はサポート式はタクリでしか紡いだことがありませんが、手では若干、回しにくいです(汗)。
そんなわけで、初めて紡ぐとき、感覚をつかみやすいのは、ドロップスピンドルを使って、手で回す方式だと、私は思っています。
紡ぐ感覚に慣れてきたら
繊維の繋がる感覚と千切れる感覚に慣れてきたら、その頃に糸の強さも安定してくると思います。
すると空中に吊るすドロップ式で、一気にたくさんの撚りをかけられるようになります。
その時のためにも、あまり重すぎないスピンドルを選びましょう。重すぎると、最初、手で支えて回すときに疲れます。
また、それなりに糸を強くしないと、吊るしたときの重みによって切れてしまいます。重みに耐える強い糸を紡がなくてはなりません。
強い糸だけを紡ぎたければそれでもいいのですが、いろんな糸を紡ぎたければ、軽めのものを選んでおき、後から重しになるものを工夫して付け足してはいかがでしょうか。
綿の紡ぎ初心者向き・オススメのスピンドル
ということで、私の綿の紡ぎ初心者向けのお勧めスピンドルは、
- ドロップスピンドル
- よく回転する程度の重みがあって、でも軽め
- 手でも回しやすい
手作りするにしても、最初は軽いものをおすすめします。それこそ、自分で重さはカスタマイズできるし^^ 手作りする時は、きちんと円の中心に棒がくるようにすることと、円盤がぐらぐら動かないようにすることも大事です。
羊毛用のスピンドルで綿を紡ぐときは
羊毛用のスピンドルは重めのものが多いので、ドロップ式で綿を紡ぐのは難しいです。サポート式で紡ぐなら特に問題はないかと思います。糸にかかる重みが問題にならないからです。
ただ、羊毛の経験者ならともかく、紡ぎ自体の初心者が、綿をはじめて紡ぐのに適しているかというと、ベストではないかなと、個人的には思います。
理由は、前述のとおり、撚り加減のコントロール性です。
タクリの優れた点と
タクリはサポート式でもドロップ式でも紡げます。金属なので結構重め。
もともとは、和綿より長めの繊維を細く紡ぐのに適した道具なのではないかと思います。
でも、和綿もふつうに紡げるし、太めの糸も紡げないことはないし、なにより、コンパクトで安くて入手しやすい道具。
タクリのいいと思うところは、最初の糸づくりが楽にできるところです。
綿から引き出す最初の糸は、指で撚って作りますが、時々、それがちょっと難しいという方がいらっしゃるのです。
でもタクリなら、カギ部分を綿に引っ掛けて撚ることで、カンタンに糸を引き出せるので、指が上手に動かない方にもおススメかなと思います。
カギがs字上部型ネジフックのスピンドルでもこの方法は可能だと思いますが、個人的にあのカギネジフックが好きではない(汗)ので、使ったことはありません。
タクリもいいなぁと思うのは最初の糸づくりだけで、手で回すのはイマイチ回しにくいし、紡いだ糸を巻くのも、巻きにくさを感じているのですが…これは慣れなのかな(汗)
入手先例
タクリは国内ではこちらが一番安いのかな? → アナンダさん
カギ針でできた簡易スピンドルは、CreemaやSTORESで販売している「初心者向け「綿の簡易糸紡ぎキット・スピンドル付」に入っています(キットについてはこちらの記事もどうぞ!)。
紡げる綿はあるけど…という方には、お試し用に簡易スピンドルのみも販売しています。STORESでどうぞ。
スピンドル・チャルカ・紡ぎ車など、道具による撚りのかかり方の違いについての記事もよろしければご覧ください。こちらです。