実験一覧

綿の浸水発芽実験の動画の続き

浸水発芽試験は今回の動画で終わりです。

当然ですが、私のタネで、私のやり方で、私の地域の気候・環境でやった結果ですので、別の履歴のタネ・環境・条件では違う結果になるかも。

別の地域の、別のタネのデータがあるとまた違う傾向がみえてくるかもしれません。

【綿栽培】綿の発根発芽試験(2)浸水タネと無浸水タネの比較/2020~2022年産の浸水タネの植付け後の様子/綿のタネのまき方/畑のさまざまな菜の花【音声あり】

ウチのタネも試験したのはこれまで数える程なので、「こうである」と言い切るにはデータが足りないかなぁと思います。

ただ、言い切ることはできないけど、傾向がある…のかな?と考えられた事柄がいくつかあったので記録しておきます。

浸水・無浸水タネの紙ポット播種比較

浸水タネと無浸水タネの発芽日数の差

浸水すると播種から発芽までの日数は短縮すると予想していましたが、今回の実験ではほとんど差はありませんでした。

どちらも4/6播種で、土から芽を出したのはどちらも4/16。たしかに浸水タネの方が先でしたが、半日程度の差。

浸水タネの浸水は約2日間行っていますし、一部発根したタネもあったので、吸水はそれなりにしていたはず。。

4/18 無浸水・浸水タネ

なので、水分よりも気温の方が、発芽日数への影響は大きいのではないかと。

もちろん、土の状態にもよるのでしょうけど、今回の実験では同じ条件でした。

気温が充分でないうちに直播すると発芽までの日数がかかる、これは、これまでの経験から確か。

4/19 無浸水・浸水タネ

芽が出たとしても、気温が充分でなければ、成長は遅め。それなりの大きさになるまでの間に虫に喰われたり寒さに負けたりする可能性もありますが、生き残れれば、少し収量は増えるかもしれません。

逆に気温が高くなるまで待ってから直播すれば、発芽までの日数は短いですが、その分、大きくなるのも遅れて収量も少ない可能性が高い。

4/20 無浸水・浸水タネ

この中間の、ちょうどよいタイミングに種まきができればいいのですが💦 未来の天気は不確かですし…そして結局、どちらにしても、個別のタネの能力にも左右されるようです(旧年のタネの結果から)。

タネ殻をかぶったままの発芽

土の中では湿って柔らかくなっていたであろうタネ殻が、地上に出ると乾いてかたくなってしまうのではないか? 

早く双葉を開いて根を伸ばすエネルギーを送らないと、そうして寒さや虫に耐えられる力を早くつけるためにも、地上に殻をつけて出てくるのはあまりよろしくない気がします。

4/22 タネ殻をつけたまま地上へ

無浸水より浸水したタネほうが、本当にタネ殻をつけて地上に出てきやすいのか、これはまた機会を見つけて実験してみたいと思います。

今回の紙ポットはどちらもかなり押し込んだつもりでしたが、もしかしたら差があったのかもしれません。

タネ殻つき発芽について、以前にも気になった際の記事がありました。あまり詳しく書いてないけど💦

先日の浸水発芽のあと、発根して土に埋めたものは、双葉まで開いたのを確認できたのは8つでした。発芽後、1つ枯れ、今は7つ成長中。土から顔を出す...

今回の実験のふりかえり

綿の発芽には、浸水するかどうかより、発芽適温になっていることの方が大事なのではないかと思います。

ただ、これを明らかにするには、気温を変えて比較する必要があり。

浸水・無浸水含めた総集計

今回の実験でも、浸水・無浸水タネを土に埋めた後に、ベランダに出した外気温10℃前後環境のモノとは別に、室温20℃前後のモノで分けておけば、気温と水分のどちらの影響が大きいかが判ったかも??

まぁでも実際これまでの畑では、早播きすると発芽日数10日~3週間だったりするけど、5月下旬の追い播きでは1週間前後で発芽するので、気温が大事なのは確かなんですけどね。

古いタネについては、発芽率が落ちるという仮定のもとで実験したのですが…、綿のタネの発芽は気温と水分も大事だけど、そもそも一番大事なのはタネの質なんじゃないかというわけで…

発芽に必要なモノ

  • 気温(20℃前後)
  • 水分(浸水は必須ではない)
  • 元気なタネ

…当り前なことの確認ですが💦

実験に使った紙ポット苗・とぐろを巻いた根

ちなみに実験の紙ポットに目印として挿していたテープは土に還ると謳われて販売されているモノ。

今年はこれを使ってあることに挑戦するつもり。


綿の浸水発芽実験の動画

思い付きで始めた実験、意外な、面白い結果になりました。

何度かに分けていますが、実験の方法は同じ。キッチンペーパーで挟み込んで水で湿らせて放置。室温は20度以上。2日弱で早いものは発根をはじめ、3~4日で出揃う感じでした。

綿の発根発芽試験(1)2020~2022年産の綿のタネを浸水させて発根するまでの様子。予想外な結果💦

動画内のすべての結果を集計したのが、次の表。途中土に埋めた分は含まず。

サンプル数が少ないので、あまりアテにならないデータですが…。

実際の発芽率試験は1品種100以上使うらしい

それと、動画をご覧いただいた方は気づかれたかもしれません。はじめの3種セットから土に移した際に、未発根を優先的に土に埋めたため、結果的に残した10粒の中の発根済の割合が高くなりました。そのこともデータを不正確にしてしまっています。

まあでも、今回の実験の注目点は2020年産のタネの発芽率の意外な高さかと💦

「2021年販売用」=2020年産

収穫高だけをみると、2020年は特に良くも悪くもなかったようなのですが。

植物的には、強いタネを、発芽率の低下しにくいタネを残しやすい条件が、なにかしら揃っていたのでしょうかね…

Table of Contents施肥・無施肥畝での比較ベランダ鉢綿と実験用畑との比較2023年とこれまでとこれから販売用の棉・綿...

結局理由は判りませんが、ただ、来年もまた旧年収穫のタネを残して実験してみようと思います。忘れなければ。

問題は、こういう実験をすると、捨てがたい発根発芽苗が大量にできてしまうこと💦

まあ結局畑に持って行って土に還すのだから、まったく無駄にはならないと思うのですが…。

Green cotton germinated & twin leaves were nibbled off 20230413 3/24播種の緑綿4/13発芽確認…かじられてる?
畑に浸水無し直播きした緑綿

緑綿のアルカリ浸水実験の結果から

「緑綿の色」動画の中の字幕の間違いを発見しました。下の画像が正解。大変失礼いたしました!(動画は後から修正ができなくてモヤモヤ)

動画のなかで使用した糸は4種類。

  1. 2019年産暗所保管の綿でカードをせずに紡いだ糸
  2. 2019年産暗所保管の綿でカードをかけて紡いだ糸
  3. 2020年産明所乾燥の綿でカードをせずに紡いだ糸
  4. 2020年産明所乾燥の綿でカードをかけて紡いだ糸

実験は3種類で比較対象がAです。

  1. 撚り止めのみ
  2. 酸→アルカリ
  3. アルカリ
  4. アルカリで煮る

まず、赤枠の中で比較してみると、大きな差はないように見えます。

2019年産暗所保管の撚り止めのみの糸と、赤枠内の他の糸では若干、濃くなったように見えますが、若干です。

数値などで表せればよいですが、残念ながらそうした機械などはありませんので、目視、しかも私個人の独断と偏見であることはご了承を(できたらご自身で実験してお確かめください)。

画像は全てクリックで拡大可能

2020年産・明所保管の綿はクリーム色に見えますが、アルカリ処理をすると、2019年産暗所保管の糸と同じような濃さの緑になりました。

このあたりは、大体これまでの経験どおりの結果。

私が今回一番注目したのは「アルカリで煮る」ことをした糸です。

左・アルカリ浸水カード済
中・アルカリ煮カード済
右・アルカリ煮未カード

実物の色はアルカリ煮の方が濃いけど、これもさほどの差ではありません。そのせいか画像では判りにくい(汗)

でも何となく区別はつくんですよ。タグを見なくても。色というより艶が少なくなって、そのために、光の反射が減り、トーンが違うような、ベタっとしたような色に見えるんですよね…。

濃く見えるのは、そのためかも?

ここまでが実験結果の糸の観察。以下は推測・憶測・当てずっぽうの話。

アルカリ浸水とアルカリで煮ることの違い

アルカリ浸水は以前もやっていましたが、今回初めて「煮る」実験をしました。これまでは緑の色を変える時、低温の水でアルカリ溶液を作って浸水させるだけでした。

アルカリで煮る=精練 →繊維についた油・ワックスを落とすということ

綿の繊維はもともと油分を含んでいるとか、ワックスでコーティングされているとか言われています。何もしない状態の綿の繊維は水を弾くことからも、それは確かです。

撚り止め(中性水で煮る)でも、多少の油は落ちますが、私の様に煮る時間が短ければ、油分はかなり残るようです(次に水に浸す時でも吸いにくいので)。そこから、

アルカリで煮たことで油分が減り→油による光沢が減り→色がハッキリした

色を覆っていたビニールやガラスみたいなもの(油)が無くなったような感じ?? だから透明感のある緑ではなく、ベタっとした緑に見えるのか??と思ったのですが…。

今回の動画を作るにあたって、いろいろ調べていたら、Sally Foxさんのホームページインスタグラムを見つけました。SallyFoxさんというのは、緑綿や茶綿などの色綿を、交配させたりすることで、長さや強さを機械紡績に耐えられるようにしてこられた方です。

その方のホームページにこんなページがありました。

color development information

「The green color is composed of waxes classified as suberins. They are laid between each of the 20-35 layers of cellulose within the cotton fiber.」

(DeepL翻訳) 緑色の部分はスベリンと呼ばれるワックスです。綿繊維の中の20~35層のセルロースの間に敷き詰められている。

つまり、綿の繊維の、セルロース層の間にあるワックスが、緑の色の元である、ということであってますかね(汗)。

ということは、アルカリ溶液で高温で煮ることで、セルロース層がはがれ、下層の緑の濃い層が現れた、とか?

ただ、この仮説だと、低温のアルカリ溶液で、あらたな緑の層が現れる理由は説明がつかない。セルロースは水に不溶らしいし。ということは、やはり色の元自体が変容するのか?

糸を浸水させた後のアルカリ溶液が色づいていることからも、何かしら溶け出ているものはありそうなのですが…。

なぜ緑色が濃くなるのかは判らないままだけど

今回の緑綿の実験に関連して判明していることを再度まとめると…

  • アルカリ水に浸すと緑が濃くなる
  • 酸性水に浸すとクリーム色になる
    • 色を変えたくなければ中性洗剤で洗濯する(経年変化によるクリーム色への変化は避けられない)
  • 酸性水に浸してクリーム色になったものを、アルカリ水に浸すと緑が濃くなる
    • 経年でクリーム色になったものも、アルカリ水で緑が濃くなる(限界はある)
  • アルカリ溶液で煮ると緑が濃くなる(茶綿も茶が濃くなったことがある→こちら)
  • アルカリ溶液で煮ると油コーティングが落ちる
  • アルカリ溶液で煮ると油による光沢が減る?油による防護がなくなる?(ここは推測)

10年経った緑綿のマフラーも参考まで…

動画でもご紹介した、収穫・製作から10年経った緑綿のマフラーですが、もうこの色で打ち止めな感じです。アルカリ浸水しても変わりません(煮たことはないけど…)。

10年間、それなりに着用や洗濯をしてきたので、色も肌触りも変わりました。市販のものと同じです。

緑綿独特の柔らかさは無くなってるし、とても未熟な織りで恥ずかしいけど(汗)。この変色した抹茶のような枯草のような色も好きで、今も畑に巻いていきます。

敷いているのは10年以上前に収穫・作成したマフラー
糸は実験に使った 上/アルカリ煮・下/撚り止めのみ


赤みがからない綿の花

「赤みがかる」の記事で書いた実験をベランダの棉でやってみた。

赤みがからないその花は、実になり収穫できるのかが知りたくて。

前記事にリンクした実験ページの方にも質問したが、あまり記憶にないとのことで、やはり自分でやってみるっきゃないでしょ。

一枚目の画像は何もしない通常の、赤味がかって数日で落ちた花ガラ。比較のため。畑の花より若干赤みは薄い気もする。ベランダの日照時間の差のせいか?

2枚目の画像は、UVカットフィルムをかぶせていた蕾が開いてきたところ。

撮影のためにこの時は外しているけど、隙間はマスキングテープでとめて、できるだけ光が入り込まないようにしていた。

UVカットフィルムは窓ガラスなどに貼るような商品のお試し版を購入。こんなの

3枚目左が9/20、右が9/23。このUVカットフィルムが届いてから、全部で5個くらいの花で実験してみて、この画像のは3個目。

これより前の花はうまく撮れなかったり、フィルムを早くはずし過ぎたのか、しぼんだ後に赤みがかったり。3個目のこの時は、花が開きそうな2~3日前から被せて、開花してしぼんだ後も2~3日つけたままにできた。

4枚目左が9/25、右が10/4。ここまで大きくなれば結実と言っていいでしょう。

これで「赤くなること」と受粉は関係ないと言うことができるかな。

自家受粉できることが綿という植物にとって重要なのだとしたら、自家受粉できない個体の子孫は残らない方が自然なことなのかも。落果と未受粉に因果関係があるかはわからないけど…それを調べるには人工授粉しても落ちる実があることを確認すればいいのか。でもまた来年だね。


赤みがかる~綿の紅葉について

綿の花は基本的に開花後、徐々に赤みがかって、一日で閉じる。これは私の栽培している和綿もその他の綿も同じ。

1枚目の画像の左下がこれから開く花で、右側が前日開花して閉じた花(タナ綿)。

ところが、そうでないこともあるらしいという興味深い実験ページを見つけた。結構前に書かれたページのようなのに、今まで発見できていなかったなんて、なんということでしょう!

畑の綿は毎日観察できていないし、ベランダの綿も室内にいれられるようにはしていないので、気づかなかった。紫外線カットフィルムとやらを買ってきて実験したくなったけど、それはひとまず置いといて。

これはもしかして、花だけでなく、綿の木全体に言えることなのかもしれないと思った。赤くなる木はやっぱり紫外線を浴びて、それに反応して赤くなるのでは、と。

だから今年の長梅雨で日照不足が続いた時、いつも赤みがかる木なのに、赤みが薄いなぁと感じたのかも、と。この記事を書いた頃。まあこれも仮説だけど。

今は赤みがからない緑の木と楽に区別がつく紫蘇綿。2、3番目の画像の左と右、判るでしょうか。画像は拡大可。

画像の緑木についている糸は緑だよーの印。今、赤味がからない緑の木も、秋になると紅葉して区別がつかなくなるので、今のうちに。

後日、花の実験をした記事はこちら