茶綿一覧

茶綿のクヌギ染め

地機布13の経糸用に茶綿を紡いだ糸を染色。今回は全て未精練。撚り止めのみの手紡ぎ糸。

先日の秩父での講習を参考に、数年前に拾い集めて保存していたクヌギの殻斗(かくと)を煮だして、放置していた鉄さび液を媒染に。

媒染に浸すタイミングがずれて、先と後で濃さがずいぶん変わってしまった。先の綛のほうが濃過ぎて後の方が求めていた濃さという微妙な仕上がり(汗)。

1枚目画像の手前が後、奥が先。
2枚目は乾燥後。もともと紡いだ茶綿が和綿や洋綿を適当に混ぜた糸な為もあってか、綛の中でも染まり具合はムラだらけ。

おかげで茶が見え隠れしてヨイけど、やっぱもう少し明るく、薄いグレーがよかったかな…

左側に少し写っている横向きの綛が秩父で染めた糸。今回染めた糸たちより若干濃い?右から2番目が媒染が後になった綛。


茶綿を染める

草木屋さんの講習会に参加してきました。数年前、秩父で講習が開始された頃から気になっていて、ほぼ独学者の自分としては一度行ってみたかったのが、ようやくかないました。

綿の自然な色をいかしたいけど、いま沢山在庫のある茶綿はあまり私の肌に色に合わない。

更に引越しの片付けで物置から以前集めたクヌギの殻や、いただきものの玉ねぎの皮・紅茶等が発見された。ということで、茶綿を染めることにして、それなら…と勉強しにいってきたというわけです。

呉汁処理等しなくても木綿が染まりやすいタンニン系染材の鉄媒染で、暖か味のあるグレーにしたいとお願いして体験させてもらったのは、栗の木と五倍子。

染めたのは前の記事の、和綿茶1:洋綿茶1で混ぜて紡いだ糸。

左ふた綛は栗の木。一番左が未精練・隣が精練済。真ん中の紫に見える綛(白の和綿・未精練)と、右ふた綛が五倍子。未精練と精練済(一番右)。

どうも色を再現できていない残念な画像なのですが(汗)、五倍子と栗でももちろん違うし、精練の有無でも違います。

全体的には、もう少し薄め明るめのグレーを期待していたのですが、思ったより濃く染まりました。当初の私のイメージに一番近かったのは、精練した綛の栗の木鉄媒染。茶の色が透けて見えるから、かな。

ぱっと見は判らないかもしれません。よく見ると、染まっているけど、茶が消えてない…というか。染まりきっていない、というか。やはり精練のアルカリで茶が強くなっていたのでしょうか。。

草木染は、その呼び名の気安さとは程遠く、奥が深すぎて複雑で難しいと思い知った講習会でした。もちろん、楽しかったです!

最後の画像は元の茶綿との比較です。

 

染めた糸の順番は上の画像と一緒。比較茶綿は逆で(汗)、左が精練済・右が未精練。実際の染めた糸の色は3番目の画像が一番近いかも。。

この草木染講習会はとても勉強になるし楽しかったので、また機会があれば行きたいなーと思っているのだけど、スケジュールが判りにくいのですよね…(汗)


畑の目印と続茶綿の退色

綿は品種ごとに畝を分け、混ざらないよう栽培していますが、F1などではないタネなせいか、時々変わった特徴が現れたりもします。

緑綿は赤めの茎で赤花が咲いたり、緑の茎でクリーム色の花が咲いたり。和綿のシソは茎が緑だったり赤みだったり。

できるだけ区別して採種をしているので、今はほぼそのものが育ちますが、それでも所々播いたはずのものと違う木だったりすることも。

そんな綿の木を区別するために、糸を絡めています。そのまま放置しても土に戻る、撚り止めしただけの手紡ぎ糸。

経糸の残糸だと糊が残っていることもありますが、それでも翌年の種まきの頃には糸は崩れかけてたり、見当たらないことも。

画像は茶綿を紡いだ双糸を8月頃に茎に絡めておいたもの。指に巻いてるのが元々の糸。茶綿の双糸は色落ちしてますが、白糸を単糸にしていたので区別はつきます。

茶綿は徐々に色が濃くなると一般的に(?)言われていて、確かに実が開いてしばらくは日差しか酸化かで濃くなる。でも濃くなり続けるわけではなく、雨か日差しの影響で色が薄くなるのも事実。

以前購入した茶綿のハギレで作ったタオルも色がどんどん薄くなった(茶綿の退色)ので、当時はホントに茶綿だったのかな?染められたものだったのかな、とも思ったのですが、ホントに茶綿だったということで(汗)。「茶綿は色が濃くなる」説の方がビミョーだったと。


和綿茶の色 

収穫後の色の変化とは別に、収穫時から色の違いが見られることがあります。

一番多く収穫できるのは画像中央の色。薄い茶です。左は少し緑がかって、茶と混ざってカーキのような色合い。右は茶が少し濃い。繊維の感じもそれぞれ違うような気もしますが…「気もする程度」で確かなところは不明。

繊維の色が平均されずに残るようにと、カードをかけずに紡いだ糸の画像です。

右から赤茶、茶、基本の和綿の茶、カーキっぽい和綿の茶。

和綿茶カーキのタネを栽培しても、同じ色にはなりませんでした。これも緑綿の色の違いと同じく環境要因によるのかもしれません。今後も毎年観察を続けます。

追記・茶に緑が混ざるのは、緑綿との交雑かと思われるかもしれませんが、和綿は、和綿以外の綿とは染色体数が違うため、交雑は起きないと一般的には言われているようです。でも絶対に有り得ないことなのかどうか、私にはワカリマセン。


和綿の白・和綿の茶

(私の栽培している綿についてのデータです。同品種でも栽培地・方法・年によって質の違いがあると思います)

タネの出所

島根県松江市の親戚から2007年に譲り受け、栽培を続けています(わたいとやの栽培方法はこちら)。

地理的にも、鳥取県境港で知られている伯州綿と思われますが、土質や栽培方法の違いのせいか、繊維の質は多少変化したように感じます。

和綿の実


ひとつの綿の実は3室から4室に分かれていて、一室に一房、一房に5~9つ程度のタネが含まれています。実の大きさ、繊維の量、質などは個体差がありますが、大きいもので一房約1.7~2.6g、内タネは約1.0~1.6g、繊維は約0.6~1.2g程度でした(2013収穫分)。繊維の長さは測るのが難しく正確ではないのですが、長いところで約15mm強~20mm。

縮れが強く、弾力のある繊維です。コシがあって繊維内の中空を保ちやすいので、ふんわり太目の糸を紡ぐのに向いているように思います。

和綿茶は、糸紡ぎの先生である綿工房さんから2008年頃に譲りうけたタネ。たぶん真岡産。綿工房さんは日下田氏のもとで修業されたのとのことで、そちらからかと。

房の数タネの数などは白と同じようです和綿の茶は繊維が短いとよく言われているのですが、実際、ウチの綿もやはり少し短いようです。といっても長いところで約15mm弱。本当に、気持ち、白より短いという感じです。

和綿茶の色の変化

紫外線、または酸化のためか、ぶらさがった実の外側の色が濃くなっているのを畑でよく見かけます。収穫時、薄い色に見えても、徐々に色は変化しているようです。

上の画像は2016年産の和綿の白・和綿の茶。下の画像右は2017年産の和綿の茶、左は2009~2010年産の和綿の茶(2018年1月撮影)。野外出店時などによくディスプレイしていた実です。
一方、和綿茶で紡いだ糸の巻物はそれほど変わらないのですが、タオルの方は使用と洗濯を繰り返すうちに、茶の色はだいぶ薄くりました。

畑の目印に使っていた茶綿も風雨に曝されると色が褪せていくので、濃くなり続けるというわけでも、色を保持し続けるわけでもないようです。

和綿茶の色の違いについては、こちらの記事もどうぞ。緑っぽい、カーキがかった茶の話。

和綿の成長の様子

​この和綿は、白か茶か、発芽から成長中だと私には見分けがつきません(汗)。他の品種の和綿は判り易いものもあります(木の赤みが少ないものなど・後述)。

葉はモミジの葉に似た形で、和綿は五裂。本葉2、3枚目までは切れ込みのない楕円形の葉が出てきます。幹、枝、葉脈は赤みがかっていて、収穫が終わった後にこの木や根で染めることも可能なようです。

赤みのない品種もあるようで、シソ綿には時々緑の木ができます。2017年にいただいた大島綿のタネからも赤みの少ない緑の木が育ちました。

 

和綿の花

花はクリーム色で中央がえんじ色、花びらの先にほんのり赤みがさしているものもあります。花びらは5枚。ガクに見えるものは3枚、実は3室又は4室。どういう仕組みで室数が変わるのか、不思議です。

一日花なので、夕方にはピンク色に染まってしぼんでいきます(関連する実験記事)。

和綿の結実・収穫時の注意

花後の実は丸みのある三角錐、または四角錐。外皮は少しざらついているように見えます。

実が下向き加減になるのが和綿の特徴、雨の多い地域でタネが出来るだけ濡れないよう守る為なのだといわれています。

タネを包む繊維が中空で空気を含み乾きやすいのも、繊維の油分が多いのも、その為と考えられています。油分たっぷりな繊維で、下向き加減な性質を持った種が生き残ってきたのでしょう。日本の湿度の高い気候に耐える性質は、そこに暮らす際の衣服に使用する繊維として最適なのかもしれません。

実が開いて房がぶらさがるようになったら、汚れないうちに房を収穫します。ほうっておくと、白より茶のほうが、地面に落ちやすいです。

和綿の手紡ぎ糸

左から
和綿白(細め)
和綿白
和綿白と和綿茶
和綿茶

繊維が短いとはいえ、細めの糸も紡げないことはありません。

ただ、太めのふんわりした糸を紡ぐ方が、和綿のコシの強い繊維を活かせるのではないかと思います。